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◆ 三菱重工コンプレッサの遠心式コンプレッサを組み合わせ、製紙・パルプ製造プロセスに蒸気を供給
◆ 産業界の脱炭素化ソリューションをグローバルに支援、三菱重工グループの企業シナジーを発揮
三菱重工グループでイタリアに本拠を置くターボデン社(本社:ロンバルディア州、Turboden S.p.A)は、大型ヒートポンプ技術を中核としてCO2を排出せずに高温の熱(蒸気)を発生させる設備を、欧州の大手製紙会社が北欧で進めるプロジェクト向けに受注しました。産業における脱炭素化技術ソリューションの世界的プレーヤーとして、大量の蒸気が必要な製紙・パルプ製造プロセスに脱炭素蒸気を供給することにより、製紙業界の脱炭素化対応に貢献します。
ターボデン社の大型ヒートポンプ技術は、有機媒体を活用するバイナリー発電と並ぶ同社の独自技術。これと遠心式コンプレッサの組み合わせに基づく革新的な熱供給システムは、グリーン電力を使用し、低品位熱(10°Cから20°Cの範囲)を熱源として、紙の生産プロセスで必要とされる170°Cで12MWth(注)の過熱蒸気を生成します。この熱供給ソリューションは、生産プロセスのニーズに合致するよう、ターボデン社および今回の納入先企業により開発されたものです。
ターボデン社の社長兼CEOであるパオロ・ベルッチ(Paolo Bertuzzi)は、次のように述べています。「このプロジェクトは、工業プロセスにおける蒸気や高温熱の需要が高い顧客に向けた大型ヒートポンプソリューションにおける、当社のリーダーシップを確立するための重要なマイルストーンとなります」。
この大型ヒートポンプシステムは、三菱重工コンプレッサ株式会社(社長:星 聡、本社:広島市西区)のコンプレッサを採用しています。このため今回の取り組みは、三菱重工グループのシナジーが発揮された好例ともいえます。
三菱重工コンプレッサの執行役員である小林 雅博は次のように述べています。「当社は、この革新的な大型ヒートポンプのためのコンプレッサを供給できることを大変嬉しく思います。当社の長年にわたる実績を活かし、最先端かつ実績豊かなコンプレッサ技術を提供することで、最高の信頼性と卓越した性能を実現します」。
ターボデン社は、1980年にミラノ工科大学の教授らが主体となって設立された有機ランキンサイクル(ORC)タービンなどを開発・製造する企業で、2013年から三菱重工グループに加わっています。同社は本プロジェクトに先立ち、イタリアの鉄鋼業界向けに大型ヒートポンプのソリューションを開発しました。この大型ヒートポンプは、イタリアの製鉄企業ORI Martin社の生産プロセスに組み込まれ、地域の暖房ネットワークに熱を供給し、システム全体のCO2排出量を削減するものです。
三菱重工業は、広範囲かつ高効率な発電・エネルギーシステムの提供を追求するグローバル企業として、ターボデン社と緊密に連携し、世界規模でのエナジートランジションを推進していきます。
- MWth(megawatt thermal)は熱利用設備の容量を表す単位。
三菱重工グループについて
三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。
詳しくは:
- 三菱重工グループのウェブサイト: www.mhi.com/jp
- オンラインマガジン SPECTRA: spectra.mhi.com/jp
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