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カナダ・アルバータ州の既設セメントプラントにおけるCO2回収実証試験が本格始動
小型CO2回収装置「CO2MPACT™」を活用し、ハイデルベルク・マテリアルズ社と協働

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◆ 当社は、排ガス性状やプラント運転モードの各種検証や当社独自の遠隔監視システムによる遠隔支援サービスを提供
◆ 将来的には、エドモントンのセメントプラントから年間100万トン以上のCO2回収、地下貯留につなげる

エドモントンセメントプラント(ハイデルベルク・マテリアルズ社提供)

エドモントンセメントプラント(ハイデルベルク・マテリアルズ社提供)

三菱重工業は、世界大手セメントメーカーであるハイデルベルク・マテリアルズ社(Heidelberg Materials)がカナダ・アルバータ州エドモントンに有する既設セメントプラント向けに小型CO2回収装置「CO2MPACT™(コンパクト)」を納入し、このほど両社によるCO2MPACT™を活用したCO2回収実証試験が本格始動しました。同実証試験の開始に当たり、アルバータ州政府のレベッカ・シュルツ環境保護大臣立ち合いの下、同プラントで8月15日に記念セレモニーが開かれました。

この実証試験では、当社が関西電力株式会社と共同開発した独自のCO2回収技術である「Advanced KM CDR Process™」および吸収液「KS-21™」を用いて、異なる排ガス性状や多岐にわたるプラント運転モードに対する各種検証を行います。また、当社独自の遠隔監視システムを活用した遠隔支援サービスも提供します。ハイデルベルク・マテリアルズ社とカナダ政府、アルバータ州のパートナーシップにより、将来的には、セメント産業分野にとって世界初となるフルスケールのCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)ソリューションにつなげる狙いです。具体的には、エドモントンのセメントプラント設備から年間100万トン以上のCO2を回収、地下貯留するプロジェクトが計画されています。

ハイデルベルク・マテリアルズ社は、今回の実証試験を通じて、セメント産業分野の脱炭素化をリードするという同社のビジョンをより強固なものとします。同社は、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して1.5℃に抑えるという2015年パリ協定の世界的な目標達成に向け積極的な取り組みを進めており、2019年にはセメント産業分野の企業としては初めて、SBTi(Science Based Targets Initiative(注))によるCO2排出削減目標の認定を受けています。

三菱重工グループは2040年のカーボンニュートラル達成に向け、エネルギー供給側の脱炭素化に戦略的に取り組んでおり、多種多様なCO2排出源と貯留・利活用をつなげるCO2エコシステム構築はその柱の1つです。当社グループは独自のCO2回収技術を活用し、CCUS事業を強力に推進するとともに、ソリューションプロバイダーとして温室効果ガス排出削減に地球規模で貢献し、環境保護に寄与するソリューションの開発をさらに進めていきます。

  • SBTiは、2015年に世界自然保護基金(WWF)、気候変動関連NGOのCDP、世界資源研究所(WRI)、国連グローバル・コンパクトにより設立された共同イニシアティブです。気候変動の防止とネットゼロ経済における企業の競争力強化を目的とした温室効果ガスの削減目標を立てるためのガイダンスに基づき、科学的知見と整合した目標(SBT:Science Based Targets)に適合していると認められる企業に対してSBT認定を与えています。SBTiは企業がSBTを設定することが当然となり、経済と環境が調和する社会を創り上げることを目標としています。
記念セレモニーの様子(ハイデルベルク・マテリアルズ社提供)

記念セレモニーの様子(ハイデルベルク・マテリアルズ社提供)

ハイデルベルク・マテリアルズ社について
ハイデルベルク・マテリアルズ社は、カーボンニュートラルと循環型建設における先駆者で、新しい持続可能な建築材料とインテリジェントなデジタルソリューションを開発しています。米国・テキサス州アービングに拠点を置くハイデルベルク・マテリアルズ・ノースアメリカは、世界最大級の建材とソリューションの総合メーカーであるハイデルベルク・マテリアルズ社の一員で、環境に対する責任を活動の中心に置いています。

三菱重工グループのCO2回収技術について
三菱重工グループは、1990年から関西電力株式会社と共同でCO2回収技術KM CDR Process™やAdvanced KM CDR Process™の開発に取り組んでいます。2023年8月現在、KM CDR Process™を用いたプラントを15基納入しており、さらに3基を現在建設中です。またAdvanced KM CDR Process™には、これまで納入した商用のCO2回収プラント15基全てで採用されているアミン吸収液KS-1™に技術改良を加えたKS-21™が採用されています。KS-21™は、KS-1™と比べて再生効率に優れ劣化も少ないといった特長を持ち、優れた省エネルギー性能と運用コストの低減および低いアミンエミッションが確認されています。

【三菱重工グループ「CO2回収技術」製品情報はこちら】

 

CCUS VALUE CHAIN

Tags: カーボンニュートラル,エナジートランジション,CCUS
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三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

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