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◆ 液浸冷却、空気冷却、水冷却採用の各サーバーを12ftコンテナに同時搭載し、データセンターの信頼性を向上
◆ 2023年度中に小型データセンターおよびサーバー冷却に関する要素技術を活用した商用ビジネスを展開
三菱重工業は、液浸冷却(25kVA)、空気冷却(8kVA)、水冷却(8kVA)の3種類の冷却方式を採用するサーバーを同時に搭載できる40kVA級12ftコンテナの液浸・空冷ハイブリッド冷却方式データセンターを新たに開発しました。10月からお客様による試運用への有期貸し出しを行うとともに、横浜市中区の当社横浜製作所本牧工場内にあるものづくり共創空間「Yokohama Hardtech Hub(YHH)」において商品化に向けた実証試験を開始し、2023年度中の販売開始を予定しています。
本機は、2021年から開発を進めているコンテナ型液浸データセンター(注1)の後継に当たり、用途別(出力密度別)で冷却方式の異なるサーバーを同時搭載可能とすることで、サーバーなどコンピューターネットワークの周縁(エッジ)部分でデータを処理するエッジコンピューティング(エッジ運用)の多様性に幅広く対応します。
また、コンテナ内部に1.4m×1.3mのスペースを確保することで、サーバー搬出入時の作業性を飛躍的に向上させました。さらに、異なる冷却方法を全体システムとして統合最適化し、12ftコンテナのパッケージ内に高密度に配置した結果、40℃環境下におけるシステム性能は、液浸冷却単体ではPUE1.05(注2)を発揮する見込みです(液浸冷却と空気冷却の併用でPUE1.14)。
本機の実証試験実施に当たり、デル・テクノロジーズ株式会社(本社:東京都千代田区)から検証用サーバーの提供を受け、NECネッツエスアイ株式会社(本社:東京都港区)によるIT機器の構築およびサーバー保守要領を検証します。
データセンターは、現代の生活や文化を支える社会インフラの1つであり、その重要性は今後さらに増大することが予想されます。昨今、企業のクラウド化および生成AIの機能が進むことでサーバーの容量増およびデータセンターの高度化に対する需要が高まっていることから、サーバーが発する熱を冷却するための消費電力量を抑制し、環境に与える影響を最小限に留めることが重要な課題となっています。
三菱重工グループは、さまざまな冷熱技術を将来的な市場の伸長が予想される高性能サーバーを活用するデータセンターに対して適用し、高い信頼性かつ高効率の電源・冷却システム・監視システムならびに統合制御をワンストップで提供し、カーボンニュートラル社会の実現ならびに地球環境保全に貢献していきます。
- 1当社は、2021年からKDDI株式会社、NECネッツエスアイ株式会社とともに、地球環境保全を目的とした消費電力削減および脱炭素化の取り組みとして、液体でサーバーを冷却する液浸冷却装置を活用し、それらをコンテナに収容した小型データセンターの実現および国内における社会実装を目指した実証実験を実施しています。
- 2PUE(Power Usage Effectiveness)はデータセンターのエネルギー効率を測る一般的な指標で、値が小さいほどエネルギー効率が良いとされています。
PUE=データセンター全体の消費電力量(kWh)/IT機器の消費電力量(kWh)
【小型データセンターの実現に向けた実証実験に関するこれまでの取り組み】
- サーバーを液体冷却、コンテナ型データセンターで消費電力43%減に成功
~脱炭素に貢献、24年度の商用提供を目指しKDDI小山TCで試験運用~(2022年3月29日)
https://www.mhi.com/jp/news/22032902.html - KDDI、三菱重工、NECネッツエスアイ、液浸冷却装置の活用および小型データセンターの実現に向けた実証実験を開始
~脱炭素化に向け、サーバーを冷却するための消費電力を削減~(2021年6月21日)
https://www.mhi.com/jp/news/21062101.html
三菱重工グループについて
三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。
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