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◆ 1998年に三菱重工業下関造船所で竣工した「航洋丸」の代替船として就航予定、2024年6月に引渡し
◆ 日本最大級の曳航力や効率的な他船消火装置を有するほか、SCR搭載による環境規制への対応を実現
三菱重工グループの三菱造船株式会社(社長:北村 徹、本社:横浜市西区、以下、三菱造船)は12日、日本サルヴェージ株式会社(社長:関根 和人氏、本社:東京都大田区、以下、日本サルヴェージ)から受注して建造中である海難救助船兼曳船の命名・進水式を、山口県下関市の三菱重工業下関造船所江浦工場で行いました。「航洋丸」と名付けられた本船は今後、艤装工事、試運転などを経て2024年6月に日本サルヴェージへ引き渡される予定です。
全長約80.6m、幅約15.5m、総トン数約3,000トンの本船は、1998年から現在まで活躍する三菱重工業下関造船所製の現行船「航洋丸」の代替船です。大型海難に対応する日本最大級の曳航力を持ち、放水銃など消火装置の配置最適化と定点保持能力の向上により、他船の火災を消火する際の効率化を図っています。
また、SCR(Selective Catalytic Reduction:排煙脱硝装置)の装備により、NOx(窒素酸化物)の排出が制限される米国・カナダ沿岸や北海・バルト海などの指定海域でも活動が行えるよう環境規制への対応を実現しました。さらに、新船型(半垂直ステム)を採用して推進性能の向上を図ったほか、暴露甲板(注)へROV(Remotely Operated Vehicle:遠隔無人潜水機)などの仮設装置を任意に配置できるよう工夫して作業性を向上し、観測員などの臨時乗船者の滞在スペースを個室化して居住性を向上しています。
三菱造船は本船の建造により、世界の海を舞台に展開するさまざまな海難救助活動と環境保全に貢献します。また、国内外において燃費性能・環境性能に優れ、社会の安全に資する船舶を建造していくことにより、お客様とともに多様な社会課題の解決を目指します。
- 船の最上部に設けられ、外気や外海にさらされる甲板を指します。
■新造船と現行船の比較
「航洋丸」 | 現「航洋丸」 | |
船種 | 海難救助船兼曳船 | 海難救助船兼曳船 |
全長 | 約80.6 m | 86.08 m |
全幅 | 約15.5 m | 14.5 m |
総トン数 | 約3,000トン | 2,474トン |
航海速力 | 14.5ノット | 16.5ノット |
三菱重工グループについて
三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。
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