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◆ 国内CO2排出地からCO2外航出荷拠点までもしくは国内圧入拠点までの内航輸送を想定した、低圧仕様の液化CO2輸送船を開発
◆ 日本政府が進める将来のCCS事業への適用をはじめ、液化CO2輸送船の早期市場投入に向け準備を加速
三菱重工グループの三菱造船株式会社(社長:上田 伸、本社:東京都港区、以下、三菱造船)は、日本ガスライン株式会社(社長:邑松 泰宏氏、本社:愛媛県松山市、以下、日本ガスライン)と共同で、内航輸送を想定した低圧仕様の液化CO2輸送船(LCO2輸送船)について、一般財団法人日本海事協会(会長:坂下 広朗氏、本部:東京都千代田区、以下、NK)から基本設計承認(Approval in Principle : AiP)(注1)を取得しました。
低圧仕様の液化CO2輸送船は、国内で回収したCO2を貯留地に向けて輸送するCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)プロジェクトにおいて海上輸送の手段となるもので、今後、需要拡大が見込まれています。三菱造船と日本ガスラインは、主に瀬戸内地区に点在する小規模なCO2排出地から、海外貯留地に向けたCO2の出荷拠点までの海上輸送を想定し、低圧LCO2内航輸送船のコンセプトスタディに取り組んでいましたが、このたび、NKからのAiP取得に至りました。
このコンセプトスタディは、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(以下、JOGMEC)により令和6年度(2024年度)に実施されている「先進的CCS事業に係る設計作業等」の一環として進められているもので、今回、AiPを取得したLCO2輸送船は、汎用性の高い小型サイズの内航船となります。
三菱重工グループはエナジートランジションの事業強化に戦略的に取り組んでいます。その一翼を担う三菱造船は、従来からのものづくりを主体とした造船に加え、造船を基盤とした海事エンジニアリング技術で国内外の海事産業の発展に貢献することを目指しており、今回の取り組みもその一環です。今後も、国内外の関連企業との協働を通じて、LCO2輸送船の開発およびCCSバリューチェーンの構築を積極的に推進していきます。
日本ガスラインは、JOGMECから先進的CCS事業として採択を受けたマレーシア・サラワク州でのCCS事業(関連リンク:JOGMEC「先進的CCS事業に係る設計作業等」の受託について|海運-LPGを輸送する【日本ガスライン(株)】)において、汎用性の高い小型サイズのLCO2内航輸送船を用いた海上輸送スキームを導入し、同国内のCO2を集約して外航出荷に結びつけることで、出荷規模拡大による事業効率化を目指す検討を進めています。今回、AiPを取得したLCO2輸送船はこのスキームを支える強力な海上輸送手段となる見通しです。
- 1基本設計承認(Approval in Principle : AiP)とは、認証機関が基本設計を審査し、技術要件や安全性の基準を満足すると承認されたことを示すものです。今回は液化ガスをばら積で輸送する船舶に適用されるIGCコード(注2)およびNK船級規則に基づき、審査が実施されました。
- 2IGCコード(正式名称:International Code for the Construction and Equipment of Ships Carrying Liquefied Gases in Bulk)とは、LCO2やLNGなどの液化ガスをばら積貨物として輸送する船舶の安全要件が規定された国際規則のことです。
三菱重工グループについて
三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。
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