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◆ 孤立地域を想定した場所に、ホバリング状態で重量物資をウィンチにより自動荷下ろしできることを実証
◆ 搭載カメラにより発災直後の被災者や被害箇所の確認ができることを実証
三菱重工業株式会社はこのほど、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)と連携して、南海トラフ巨大地震の発生を見据えて実施された陸上自衛隊 中部方面隊主催の災害対処訓練「南海レスキュー2024」(注1)に参加しました。当社民間機セグメントが開発中の小型シングルローター型無人機(以下、小型無人機)を用いた発災直後の被害状況確認訓練や、中型マルチコプター型無人機(以下、中型無人機)を用いた被災地への重量物資輸送訓練を実施したもので、これらの訓練において、中・小型機とも所期の目的を成功裡に達成することができました。
このうち、中型無人機を用いた被災地への重量物資輸送訓練では、重量のある支援物資を強風の中で輸送し、孤立地域を想定した場所に届けてウィンチによる自動荷下ろしが可能であることを実証しました。具体的には、キリンビバレッジ株式会社から支援物資として提供を受けた2lペットボトルの飲料水72本(重量150kg)を、風速最大10m/s弱の強風の中、離陸・巡航時には抱え込んで飛行することで風の抵抗を抑え、荷下ろしの際には、ホバリング状態において、ウィンチでロープを伸ばし接地後に切り離すことで荷下ろしを行ったもので、無人機によりウィンチを使った重量物資の自動荷下ろしが可能であることを実証したのは今回が初めてです(注2)。
また、小型無人機を用いた発災直後の被害状況確認訓練では、搭載カメラにより被災者や被害箇所の確認が可能であることを実証しました。なお、今回使用した無人機の仕様は下記の通りです。
当社は、これまでの航空機開発・製造で培った技術により、民生用途と防衛用途の双方に使用可能なデュアルユースを想定した無人機の開発を進めています。これからも引き続き実証試験を実施することで、得られた知見を無人機仕様へ反映して安全性・信頼性の向上に努めるとともに、携帯電話が使用できないエリアでも通信可能な衛星通信機能の搭載、中型無人機のハイブリッド化による航続距離の延長などの機能向上を進めていきます。
今後、小型無人機は、広範囲の点検・巡回・巡視ミッションに適した特徴を活かし、災害発生初期の被害状況の広域・迅速な調査、河川や道路などのパトロールなどへの活用を目指します。また、中型無人機は、頻発する災害時に課題となる孤立地域への支援物資輸送や、離島や山間部など物流量が少ない路線での物流の効率化のためのトラックや船からの代替、送電鉄塔の建設・補修工事など車でのアクセスが困難な山間部の工事での資材運搬などへの活用を目指します。
当社は今後も引き続き、無人機によるさまざまな課題解決に取り組むことで、安全・安心・快適な社会の実現に貢献していきます。
【中型無人機 仕様】
- ペイロード:200kg
- 航続距離:15km(試作機)、200km(将来計画)
- 機体寸法:全長約6m
- 動力:バッテリータイプ
ハイブリッドタイプ(エンジンで発電)開発中 - 運搬容易性:離発着地までトラックで運搬可能
- 実証試験のための追加装備:
ウィンチを使った自動荷下ろしシステム、支援物資運搬コンテナ

被災地への物資輸送訓練に使用した中型無人機
【小型無人機 仕様】
- 耐風性(風速20m/s)を考慮したシングルローター型
- 機体寸法:長さ 約2m × 幅 約0.5m × 高さ 約0.9m
- 航続時間:最大 2 時間
- 飛行速度:巡航速度80km/h (最大 130 km/h)
- ペイロード:7kg 燃料含む
- 可視光カメラ搭載
- 動力:ガソリンエンジンによる駆動
(本訓練では飛行距離が短いことから電動モータータイプを使用したため、上記仕様とは一部異なる)

発災直後の情報収集訓練に使用した小型無人機
- 1南海トラフ巨大地震の発生を想定した災害対処実動訓練。1月13日から17日にかけて近畿・東海・中国・四国地方で実施され、陸・海・空自の隊員約1万1300名、航空機32機、艦艇7隻のほか、数多くの関連自治体や企業が参加、在日米軍からも約210名がこれに加わって過去最大規模での災害対処訓練となった。無人機を用いた各種訓練は1月15日、淡路島で行われた。
- 2当社調べによる。
三菱重工グループについて
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長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。
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