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入社式で挨拶する伊藤社長
三菱重工グループは1日午前、東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪において2025年度の入社式を行いました。新たに当社グループの一員となり社会生活のスタートを切った新入社員に対し、伊藤栄作社長・CEOが、モノづくり企業のトップとして、また社会人の先輩として励ましの言葉を贈ったもので、当社グループ社員としての心構えを示すとともに、「やるからには楽しんでください」と今後の活躍に強い期待を表明しました。
<社長・CEO挨拶要旨>
世界は今、大きな転換点にあります。国際関係の緊張と地政学リスクは依然続いており、不安定さが増しています。また経済界は、脱炭素化や、デジタルトランスフォーメーション、リスクマネジメントなどの面で急速に変化しています。このように、当社グループを取り巻く環境は大きく変わってきていますが、こういう時こそ、企業の原点を大切にしていきたい。こう述べた社長は、その原点である当社グループの成り立ちや、「顧客第一の信念に徹し、社業を通じて社会の進歩に貢献する」を第一に掲げる社是(経営理念)を説明。そのうえで、「当社グループの目指す姿」について話しました。以下はその要旨です。
【当社グループの目指す姿 - どこに行くのか】
- 当社グループは「社会の課題に対して、技術やノウハウでソリューションを提供すること」を基軸に社会に貢献してきた。近年、社会課題が複雑化し、お客様や市場が求める価値も変化してきたが、今後とも私たちが社会や人に対して貢献していくためには、社会・技術の変化を深く洞察し柔軟にニーズに応えるのはもちろん、お客様に新たな価値を提案し、イノベーションを創造することが重要となる。
- 当社グループは2021年に「MISSION NET ZERO」を宣言し、2040年のカーボンニュートラルを目指している。これは政府の目標を10年前倒しで実現しようとするチャレンジングなものだが、私たちは省エネルギー技術、新エネルギー技術、CO2回収技術など、カーボンニュートラルにつながる多様な技術を幅広く保有しており、この目標実現に挑むことができる。
- カーボンニュートラルへの取り組みは、目指すゴールは同じでも各国・地域の実情に応じて進め方は異なる。私たちは、この多様な保有技術やソリューションをそれぞれの地域の状況に応じて提供し、この地球規模の大きなチャレンジに貢献することを目指す。
- 機械システムとAI・デジタル技術の融合による「社会インフラのスマート化」が新たな事業領域として拡大している。自動運転や物流システムの自動化・自律化などがその一例。当社保有の技術とデジタル化・AI化技術など外部の技術を融合することで、新たな価値を提供し、新たな分野を開拓していきたい。
- 昨年度にスタートした「2024事業計画」では、当社グループはモノづくりを起点としてビジネスの幅を広げ、社会の変革を実現するエコシステムの結節点(ハブ)となることを目指している。そして、「エネルギーの安定供給」、「新たな国家安全保障への貢献」、「脱炭素」、「省エネ/省人化/自律化」をキーワードに事業を展開していく考えだ。新入社員の皆さんにはぜひ柔軟な発想や着眼点を存分に発揮して、このような事業を支える力強い存在になっていってもらいたい。
【新入社員への期待】
- 私自身の若手社員時代を振り返り、皆さんへのエールとしたい。入社して任されたのが、新しいコンセプトのジェットエンジン向けタービンの開発プロジェクト。独創性が求められるプロジェクトのため、あえて若手が選ばれたようだ。企画から開発、設計、試作、評価まで、モノづくりのすべてのプロセスを任せてもらったことで、その後の礎となる貴重な経験を積むことができた。若手のうちから大きな仕事に挑戦できるという風土は、当社グループの大きな特徴だ。もちろんプレッシャーはあるが、失敗も含めてそうした経験を積むたびに、成長する自分を実感できた。
- 当社グループの最大の魅力は、社会との関わりの深さにある。モノづくりを通じて社会に貢献したいという想いで入社した方も多いはず。当社グループには、その想いを実現できる無数のチャンスがある。なぜなら、私たちの事業フィールドは、海の底から宇宙の果てまで、グローバルに広がっているからだ。もちろん、乗り越えなければならない壁は高い。しかし、その分だけ大きく成長でき、自らの成長とその先にある社会への貢献というやりがいを重ね合わせることができる。
- 私たちが保有する技術は700以上ある。ハードウェアからソフトウェアに至るまでの技術の多彩さこそが唯一無二の企業たる所以。これらの技術を組み合わせることで、かつてないモノづくりを実現している。そして、それらをビジネスとして育て社会に実装していくためには、さまざまなパートナーと協力し、全体最適となるソリューションを提供していくことが求められる。多様で豊かな知見と視座をもつ多くの人材がチームを組み、互いに高め合いながら、未来志向で挑戦していく姿勢が欠かせない。
- 当社グループの事業を支える根幹は人であり、多様な人材の個の力の結集が組織力となる。個の力を高めるために、さまざまな挑戦と成長の機会を皆さんに提供する。一方で、それらは与えられるのみではなく、自ら切り拓くものでもある。皆さんには、人生を通して取り組む社会課題を見出し、組織として目指すものと重ね合わせて、挑戦と成長を重ねていってほしいと思う。
- 最後に、日々の業務にあたって皆さんに特に意識していただきたいポイントを3つ説明する。1点目は、「明るく楽しく働く」こと。製造業の根幹である「安全第一」を常に意識し、人とよくコミュニケーションを取りながら、業務に取り組んでいってほしい。2点目は、「まずは慣れる」こと。最初はわからないことばかりだと思うが、まずとにかくやってみよう。見え方や感じ方の変化を実感できるはずだ。3点目は「自分らしく」。自分の業務がどのように社会に役立っているのか、自分にとってしっくりくる目標をじっくり考え、実践してみてほしい。
- 1884年の創業以来、140年以上の歴史を紡いでこられたのは、諸先輩が変化し続ける社会課題の解決に真摯に向き合い、挑戦と成長を積み重ねてきたからこそである。「挑戦と成長」、これは三菱重工グループに刻まれたDNAであり企業文化だ。当社グループには、社会の進歩に貢献できる仕事、世界ひいては地球規模の仕事、私たちにしかできない仕事がたくさんある。やるからにはぜひ楽しんでほしい。もちろん、苦しい瞬間もある。それでも、楽しんでやろうという姿勢を忘れないでほしい。主体的に社会をつくりたい、社会を支えたいという志と責任をもって、当社グループの可能性を最大限に発揮し、世界を舞台に挑戦を重ねていこう。

三菱重工グループについて
三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。
詳しくは:
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