Press Information

UAEドバイ政府宇宙機関MBRSCの火星探査機「HOPE」を軌道投入

Print

◆2020年7月20日(月)6時58分14秒(日本標準時)種子島宇宙センター大型ロケット発射場から
◆ロケットは計画通り飛行、UAE初の火星探査機「HOPE」の分離を確認
◆H-IIAと H-IIBロケットの打上げは45回連続の成功、打上げ成功率は世界トップクラスの98.0%に

三菱重工業は20日、H-IIAロケット42号機でアラブ首長国連邦(UAE)ドバイの政府宇宙機関であるMBRSC(Mohammed Bin Rashid Space Centre)の火星探査機 「HOPE」の打上げに成功しました。ロケットは計画通り飛行し、打上げ後約57分で衛星分離が確認されました。

この火星探査ミッションは、UAE建国50周年を迎える2021年に中東初となる無人探査機の火星到着を目指すものであり、アブダビやドバイなど7首長国によるUAE連邦政府が2014年7月に設立したUAE宇宙庁(UAE Space Agency)が統括し、MBRSCはHOPEの設計等技術面の取りまとめを行っています。

H-IIAロケットは日本の基幹ロケットであり、世界でも最も信頼性の高いロケットの一つです。今回の打上げ成功で、H-IIAとH-IIBロケットの打上げは合わせて45回連続の成功となり、打上げ成功率は98.0%に達しました。

UAE中小企業担当大臣兼UAE宇宙庁総裁のAhmad Belhoul Al Falasi博士は、次のように述べました。「中東で初の惑星ミッションであるEmirates Mars Mission (エミレーツ・マーズ・ミッション)(EMM) の打上げ成功はUAEの歴史において大変重要な出来事です。本ミッションは野心的なミッションを達成するUAEの能力を証明するものです。この功績をもって、UAEはプロジェクト開始から6年という短期間で火星ミッションの打上げを成功させた、世界で最も若い国となりました。探査機HOPEの成功はUAEが挑戦的な宇宙プログラムを進めるにあたり非常に大きな飛躍となります」。

MBRSC総裁のHamad Obaid Almansoori氏は、次のように述べました。「Emirate Mars Mission、探査機HOPEの打上げ成功は、EMMに関わった全員が力を合わせ、絶えず努力をした結果です。私たちはともに複数の課題を乗り越え、創意工夫と真摯な取り組みを通して、この目標を予定通りに達成しました。このミッションは、科学探査と知識共有を通して人類の未来へ貢献するというUAEのコミットメントを表すものです。宇宙、教育、科学やテクノロジー分野発展の加速を目指して火星に到達するとき、中東で初の惑星ミッションは中東にとって新しい時代の象徴となります」。

当社執行役員で防衛・宇宙セグメント長の阿部 直彦は、次のように述べました。「今回の打上げ輸送サービス契約を締結した2016年3月以来4年超にわたる、UAE宇宙庁、MBRSCの継続的なご協力ならびにその間関係くださった皆様からのご支援に大変感謝しています。 H-IIAによるUAE政府ミッションの打上げは、2018年に打ち上げた観測衛星ハリーファサットに続き2件目です。今回の火星探査機であるHOPEは、UAE建国50周年を迎える2021年の火星到着を目指す記念すべきミッションであり、計画通り本日打ち上げ、無事成功させることができたことに安堵しています。 HOPEが無事にミッションを完遂し、新型コロナウィルス(COVID-19)で世界が難しい状況にあるなか、人々に明るい気持ちと希望をもたらしてくれることを祈念します。 当社は、これまでUAE政府をはじめ国内外のお客様との間で築いてきた信頼関係を大切にし、引き続きお客様に寄り添った打上げ輸送サービスを提供していきます。また、本日の打上げに対し、ご理解、ご支援頂いた関係府省・機関並びに地元の皆様に改めて感謝申し上げます」。

三菱重工グループは、今回の打上げ成功をさらなる弾みとして、国内外の衛星打上げ輸送サービス市場で積極的に営業活動を展開し、わが国の自在的な宇宙活動を支える産業基盤の確立に中心的な役割を果たしていきます。
 


mission_net_zero

三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

詳しくは: