訴訟の提起に関するお知らせ

三菱重工業株式会社
 三菱重工業は米国時間20日、ゼネラル・エレクトリック社(以下、「GE社」という。)に対して、特許侵害訴訟を米国フロリダ州中部地区連邦地方裁判所に提起しました。これに加えて、当社及び当社原動機事業の米国拠点であるMitsubishi Power Systems Americas, Inc.(MPSA 社)は同日、GE社に対して、独占禁止法違反及び不法行為等に基づく損害賠償請求訴訟を米国アーカンソー州西部地区連邦地方裁判所に提起いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。

 当社は、1980年にプロトタイプ機を開発して以来、研究開発を継続し、今日の発電用大型風車の基礎となる技術を培うとともに、日本、米国及びヨーロッパ等の地域で関連特許を取得してきました。また、当該技術を基に、国内外のお客様へ風車を供給してまいりました。この度の二件の提訴は、前者については、GE社が当社保有の特許を侵害していることを理由に当社の知的財産を保護する観点から行い、また後者については、GE社の競争阻害行為1に基づき当社に損害が発生していることを理由に行ったものであります。
  • 訴訟の概要
  • (1) 米国での特許侵害訴訟
      GE社による風車の製造、販売等が、当社が米国で保有する独立ピッチ制御特許2(米国特許第7,452,185号)を侵害していることを理由に、それらの行為の差止め及び損害賠償を求め、フロリダ州中部地区連邦地方裁判所に提訴したものです。

    (2) 米国での独占禁止法違反及び不法行為等に基づく損害賠償請求訴訟
      当社としては、GE社が独占を意図して競争阻害行為を行ってきたことから、市場支配につながるおそれがあり、その結果、当社に損害が発生しているものと考えております。よって、独占禁止法等に基づき、GE社の競争阻害行為による損害の賠償及び競争阻害行為の差止めを求め、アーカンソー州西部地区連邦地方裁判所に提訴したものです。

  • 訴訟提起に至った経緯と理由
  •   上記1.(1)の特許侵害訴訟については、GE社が当社保有の特許を侵害していることを理由に提起したものです。
      上記1.(2)の独占禁止法違反及び不法行為に基づく損害賠償請求訴訟については、GE社が、無効な特許に基づき提訴を繰り返していること等を理由に、提起したものです。GE社は、2008年の米国国際貿易委員会(ITC)をはじめ、2009年のテキサス州南部地区連邦地裁及び本年のテキサス州北部地区連邦地裁と、当社、Mitsubishi Heavy Industries America, Inc.(当社米国法人)及びMPSA社を連続して提訴しています。当社の事業活動に対するこれら一連の行為は、無効でありかつ無効原因をGE社自身が認識している特許に基づくものであり、特許権の正当な行使とは言えず、公平・公正な市場競争を阻害する行為であると判断し、提訴するに至りました。

  当社は今後も、知的財産を重要な経営資源と位置づけて保護するとともに、他社の知的財産や権利も尊重し、風力発電事業をはじめとする全ての事業を展開してまいります。

1 GE社が無効な特許を乱用し、競合メーカーを提訴したりライセンス契約を押し付けたこと、また特許無効を知りながら当社側顧客に特許侵害を示唆する書簡を送付したこと等を指します。当社としては、これらは、競争阻害行為に該当し、米国独占禁止法(Sherman法2条)に違反するものであると考えております。

2 風車のブレード回転角等に応じて、ブレードピッチ角度を制御し、風車への負荷を低減する技術に係る特許