「公共工事ビジネスプロセス検証・提言委員会」による調査報告・提言書について

三菱重工業株式会社
取締役社長 大宮英明
当社は、昨年3月、橋梁談合事件に関する株主代表訴訟の和解に際して、利害関係人としてこれに参加し、同年7月、本和解条項に従い、専門的な知見と経験を有する外部委員3名からなる「公共工事ビジネスプロセス検証・提言委員会」を設立いたしました。

もとより、当社は公正で誠実な事業活動の展開を経営理念として、コンプライアンス全般にわたりその徹底に努める中、特に独占禁止法については、2005年に鋼鉄製橋梁工事に関連し公正取引委員会の排除勧告を受けた事実等を重く受け止め、今後こうした事態を二度と起こさないとの決意の下に、受注活動の透明性と適法性を確保する厳格な同法遵守体制の構築に邁進してまいりました。

同委員会の設立は、当社のこうした独占禁止法遵守体制を、さらに高度なものとしていく無二の機会と捉え、同委員会には設立以来、談合行為の防止に止まらず、広く公共工事の事業遂行プロセスについて、万全のコンプライアンス体制の構築に向けて精力的に検討を重ねていただきました。

今般、その成果が「調査報告・提言書」(別紙)としてまとめられ、去る3月18日、当社は、その提出を受けました。本「調査報告・提言書」では、現在の当社の取組みは従前と比較して格段に充実したものとなっており、入札談合の根絶に向けた対応策として必要十分なものとの評価を受けた一方、以下の取組みが必要との提言をいただきました。

  • 現状のコンプライアンス体制の再点検・見直し
  • コンプライアンス遵守のための諸制度の再点検(マニュアルの改善等)
  • 追加的・補充的な措置の導入
  • 外部通報窓口の設置、特別モニタリングの実効性を高めるための工夫
  • 新しい時代に対応した行為規範又はガイドラインの策定
  • 競争事業者との事業提携検討の際に許される「情報交換に関するルール」の策定

上記の提言については、当社コンプライアンス体制の一層の強化に有益かつ有用であり、また、さらなる競争力の強化が求められる当社の事業環境に鑑み、迅速かつ確実に実施していく所存であります。

当社は、 3月30日の取締役会において本提言を報告し、今後も引き続き、CSR(企業の社会的責任)を経営の基軸とし、その根幹をなすコンプライアンスの徹底に全社を挙げて取り組んでまいりますので、何卒御理解賜りますようお願い申し上げます。