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製鉄炉副生ガス焚きGTCC発電設備2系列を受注

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 三菱重工業は、韓国最大の製鉄会社ポスコ(POSCO)の浦項製鉄所(浦項市)向けに、製鉄炉副生ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備2系列を受注した。POSCOグループで同国最大のIPP(独立発電事業者)であるPOSCO Power(ソウル市)から受注したもので、総発電出力は29万kW。2012年から2013年にかけて機器を順次納入する予定。POSCO向けに製鉄炉副生ガス焚きGTCC発電設備を受注するのは今回が3件目で、累計5系列となる受注設備の総発電出力は72万kWに達する。

 このGTCC発電設備は、高炉による製鉄プロセスに比べ工程を簡素化したPOSCO独自の直接還元炉(FINEX※炉)から排出される直接還元炉副生ガスと、高炉プロセスから出る高炉ガスおよびコークス炉ガスを燃料とする。浦項製鉄所ではFINEX炉の新設と、FINEX炉デモプラントおよび高炉の拡張を計画しており、これらの副生ガスを有効活用して、製鉄所内で必要な電力の一部を賄う。1系列当たりの発電出力は14万5,000kW。

 同発電設備はPOSCO Powerによって運営され、当社は主要機器であるガスタービン、蒸気タービン、ガスコンプレッサー、電気集塵機などと、それらの周辺機器設計・製作を担当し、三菱電機が発電機を担当する。取扱商社は三菱商事。

 POSCOへの製鉄炉副生ガス焚きGTCC発電設備は、浦項製鉄所のFINEX炉向けに14万6,000kW設備1系列を2005年に受注。2008年には光陽製鉄所(光陽市)の高炉プロセス向けに14万2,000kW設備2系列を受注しており、すでに全設備が稼働している。

 製鉄炉副生ガスは、一般的なGTCC発電燃料である天然ガスに比べて著しく低カロリーで、ガスタービンの安定運転には高度な燃焼技術が求められる。当社は専用燃焼器の開発などにより、1980年代にはすでに独自の高炉ガス焚きGTCC発電技術を確立し、世界市場で約6割のシェアを占める多数の納入・稼働実績がある。POSCO向けの相次ぐ受注も、こうした実績が評価されたことによる。

 鋼材に対する世界的な需要が、新興国の経済成長などを背景に拡大しており、世界の製鉄会社は生産設備の増強や効率向上に力を入れている。同時に、製鉄プロセスの省エネ・環境負荷軽減にも高い関心を向けている。こうしたニーズに適合する優れた技術として、当社は製鉄炉副生ガス焚きGTCC発電設備の営業活動を一層積極化していく。

※ FINEXプロセスは石炭のコークス化や鉄鉱石の焼結が不要で、高炉プロセスに比べ設備投資および原料費を抑制できるとされる。

 

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