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2023年度の種子島アカウミガメ保全調査を完了 産卵目的の回帰周期などデータの蓄積を重ね、生態の解明につなげる

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◆ 8日間で12頭の親ガメと遭遇し計10回の産卵を確認、2015年の調査開始から通算208頭を識別
◆ 新型コロナウイルスによる行動制限の緩和を受けて、4年ぶりにボランティア48名が参加

三菱重工グループは、2015年度からNPO法人アースウォッチ・ジャパン(東京都文京区)を通じ、国内第二の産卵地である鹿児島県種子島におけるアカウミガメ保全調査(注1)を支援しています。本調査は、絶滅が危惧されるアカウミガメが過去に産卵を目的に種子島へ来たことがあるかといった回帰性のほか、体の大きさや産卵成功率などを明らかにすることで、個体の保全や産卵地の環境健全化を図ることを目的に毎年実施しています。識別調査した個体数は2015年からの通算で208頭に上り、アカウミガメの生態を解明するための有益なデータとして活用されています。

支援当初から、本調査に対しては社内・社外ボランティアスタッフが参加していましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点により、2020年度から3年間はボランティアスタッフの募集を見送り、研究者ならびに現地NPO法人Turtle Crewスタッフのみで限定的に調査を実施しておりました。今年度は行動制限の緩和を受けて、4年ぶりに総勢48名のボランティアが参加。6月下旬の8日間に島内の長浜海岸北部を4エリアに分けて実施した夜間調査(注2)では、12頭の親ガメと遭遇し計10回の産卵を確認できました。このうち、昨年度までに種子島で既に識別され、産卵のために再び島を訪れた個体(回帰個体)は3頭でした。

調査の結果、産卵のために上陸する個体が毎年、減り続けていることがわかりました。種子島以外の他の国内の産卵地でも同様の傾向が見られており、現時点で個体数の減少に歯止めが掛かっていないことが推測されます。 また、過去9年の調査結果から、種子島で産卵するアカウミガメの回帰率は25.6%で、他の個体群の産卵地と比較するとかなり低いことが判明しました。

プロジェクトの主任研究者である日本ウミガメ協議会の松沢 慶将会長は「種子島での9年間の調査活動により識別個体のデータも揃ったので、正確な回帰率を整理し、種子島を含めて日本におけるアカウミガメの減少要因について論文にまとめ、2024年3月開催の第42回国際ウミガメシンポジウムで発表予定です。国内で2番目に産卵数の多い種子島のデータは、日本全体の傾向を知り、海外で行われている同様の調査結果との比較分析にも有用であり、また、こうして調査活動を行っていること自体が牽制となって、産卵地の保護にもつながっています。」と話しています。

三菱重工グループは、2023年4月に策定した「三菱重工グループ生物多様性宣言」(注3)に則り、ロケット打上げ事業を担うこの種子島を始め、当社グループが事業を行う他の国内外の地域において、これからも生物多様性や自然資本の保全・回復に向けた取り組みを推進し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

【関連リンク】

夜間調査前に研究者よりレクチャーを実施

夜間調査前に研究者よりレクチャーを実施

甲羅測定用機材の使用方法の確認

甲羅測定用機材の使用方法の確認

参加したボランティアの皆さん

参加したボランティアの皆さん

産卵に来たアカウミガメ(赤色ライトを照射)

産卵に来たアカウミガメ
(赤色ライトを照射)


Tags: ウミガメ,生物多様性,サステナビリティ
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