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2024年度の種子島アカウミガメ保全調査を完了
産卵目的の回帰周期などデータの蓄積を重ね、生態の解明につなげる

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◆ 8日間で33頭の親ガメと遭遇し計22回の産卵を確認、2015年の調査開始から通算230頭を識別
◆ 社員37名を含む、計48名のボランティアメンバーが参加、10年間の累計では、のべ336名(うち社員207名)

三菱重工グループは、2015年度からNPO法人アースウォッチ・ジャパン(東京都文京区)を通じ、アカウミガメ保全調査(注1)を国内第二の産卵地である鹿児島県種子島において支援しています。本調査は、絶滅が危惧されるアカウミガメが過去に産卵を目的に種子島へ来たことがあるかといった回帰性のほか、体の大きさや産卵成功率などを明らかにすることで、個体の保全や産卵地の環境健全化を図ることを目的に毎年実施しています。識別調査した個体数は2015年からの10年間で通算230頭に上り、アカウミガメの生態を解明するための有益なデータとして活用されています。

本調査に対しては、新型コロナウイルス禍の3年間を除いて、支援当初から社内外のボランティアメンバーが参加しており、本年も総勢48名が参加しました。6月下旬の8日間に島内の長浜海岸北部を4エリアに分けて実施した夜間調査(注2)では、33頭の親ガメと遭遇し計22回の産卵を確認できました。このうち、昨年度までに種子島で既に識別され、産卵のために再び島を訪れた個体(回帰個体)は7頭でした。

産卵のために種子島に上陸する個体数は、年ごとの差はあるものの、ここ数年、低い水準が続いており、国内の産卵地全体と似た傾向が見られます。
また、過去10年の調査結果から、種子島で産卵するアカウミガメの回帰率は20~30%程度で、国内の他の産卵地と同等かそれより低く、隣の屋久島や他の産卵地と行き来しているケースも少ないことが判明しました。

プロジェクトの主任研究者である日本ウミガメ協議会の松沢 慶将会長は「種子島での10年間の調査活動により識別個体のデータも揃ったので、より信頼性の高い生残率の推定や、回帰個体の特徴の分析、減少の主原因と疑われる漁業による混獲死対策などを行っていく予定です。国内で2番目に産卵数の多い種子島のデータは、日本全体の傾向を知り、海外で行われている同様の調査結果との比較分析にも有用であり、また、こうして調査活動を行っていること自体が牽制となって、産卵地の保護にもつながっています。」と話しています。

三菱重工グループは、2023年4月に策定した「三菱重工グループ生物多様性宣言」(注3)に則り、当社グループが事業を行う国内外の地域において、これからも生物多様性や自然資本の保全・回復に向けた取り組みを推進し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

【関連リンク】

夜間調査前に研究者よりレクチャーを実施

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甲羅測定用機材の使用方法の確認

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調査に出発するボランティアの皆さん

調査に出発するボランティアの皆さん

産卵に来たアカウミガメ(赤色ライトを照射)

産卵に来たアカウミガメ
(赤色ライトを照射)


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