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三菱重工業は、長崎造船所香焼工場(長崎市香焼町)で、国内最大となる吊り能力1,200トンのゴライアスクレーンの据付けを完了、5日の竣工式を経て20日、船舶用大型ブロックを荷吊りする本格稼動に入った。高さ95.5m、幅185mの門型クレーンで、この稼動により、香焼工場の年間船舶建造能力は、工場建屋の増設などとも併せ、LNG船換算で現状の5隻から7隻に増強される。
今回のゴライアスクレーンの導入は、競争力強化を目指す香焼工場の体制整備の一環。船体前後部ブロックの組立作業を行う曲がり大組工場の増設(25m延長)や、特殊ブロック専用建屋の新設、塗装工場の能力増強などの設備投資と併せて実施したもので、全体として、船舶建造作業の地上化・屋内化の推進と、効率化による工期の短縮を実現する。
このうち、ゴライアスクレーンの新設は、既存クレーンとの併用で最大1,500トンの大ブロック工法の採用を促進、渠中作業の地上化を推進して、ドック工期の短縮と進水時艤装工事の進捗率アップをはかるのが狙い。
クレーン据付けのための基礎工事が開始されたのは2007年2月で、クレーンは全体を6つの大きなブロックに分割して組み上げた。香焼工場では、すでに吊り能力600トンのクレーン2基が稼動していたが、今回の導入により門型クレーン3基がその巨大な姿を並べることとなり、その威容は、同工場の新たなシンボルとなる。
吊り能力600トンの既設クレーンが設置されたのは1972年のこと。当時、その製作には約7,000トンに及ぶ鋼材が必要とされたが、今回のクレーンは鋼材使用量約5,000トンで、2倍の吊り能力を持つ。これは最新の強度解析技術を駆使した成果であり、35年間の技術革新の賜物といえる。
軽量化したにもかかわらず、高い耐風レベルを持つのも今回のクレーンの特徴。香焼が風の強い地域であることを踏まえ、風洞実験を行って、空力特性を考慮した構造にするなどの対策を実施。通常のゴライアスクレーンの耐風レベルである風速毎秒55mを大きく上回る同80mの風荷重に耐える設計としている。
造船業界はここ数年、未曾有の活況を呈しているが、中国・韓国では、新興造船所の建設ラッシュや既存造船所の相次ぐ設備拡張など、各社の増産体制づくりが急ピッチで進んでいる。ゴライアスクレーンの導入をはじめとする今回の香焼工場の体制増強は、そのような事業環境の変化を睨んだもので、当社はこれを機に、船舶建造の一段の効率化と競争力強化を推進していく。
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