1.グリーンボンド発行の目的および背景
当社は、三菱三綱領に基づき制定された社是の精神に則り、社業を通じて社会の進歩に貢献するものづくり企業として、 社会・産業インフラを支える製品・技術を世界に提供し、地球規模の課題解決に貢献しています。
当社グループは、気候変動対策の国際的な枠組みである「パリ協定」が長期的なゴールと位置づける「脱炭素社会」の実 現に向け、企業・団体がチャレンジするイノベーションのアクションを国内外に力強く発信し後押ししていく、新たなイニシアティブ「チャレンジ・ゼロ(チャレンジネット・ゼロカーボンイノベーション)」の『チャレンジ・ゼロ』宣言に賛同するなど、環境への取り組みを積極的に行っています。
2050年までにカーボンニュートラル社会を実現するためには、モビリティ、ライフ、インダストリーの脱炭素化・電化 が必要であり、エナジーの経済的な安定供給が必須となっています。これら課題を解決し、カーボンニュートラル社会を 実現することが、当社グループの目指すエナジートランジションです。当社グループは、カーボンニュートラル社会の実現に向け、短期的には「既存インフラの脱炭素化」、中長期的には「水 素エコシステム、CO2エコシステムの実現」に取り組みます。
本発行の資金使途である再生可能エネルギー/クリーンエネルギー事業(風力発電設備/事業・地熱発電設備/事業・水素 発電設備/事業)を推進することで環境改善効果をもたらし、国際連合が定める持続可能な開発目標(SDGs)の目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」の達成に貢献するとともに、当社グループの目指すエナジートランジションに寄与するものと考えています。
2.グリーンボンド発行実績
名称 | 三菱重工業株式会社第38回無担保社債(社債間限定同順位特約付) (第2回三菱重工グリーンボンド) |
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発行年限 | 5年 |
発行額 | 150億円 |
利率 | 0.09% |
発行日 | 2021年9月1日 |
償還日 | 2026年9月1日 |
資金使途 | 再生可能エネルギー/クリーンエネルギー事業(風力発電設備/事業・水素発電設備/事業・地熱発電設備/事業)に関連する新規又は既存の事業・プロジェクト |
取得格付 | AA-(株式会社 日本格付研究所(JCR)) |
主幹事証券会社 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社、SMBC日興証券株式会社、みずほ証券株式会社、大和証券株式会社、野村證券株式会社、BofA証券株式会社 |
グリーンボンドの適合性評価 | 国際資本市場協会(ICMA)による「グリーンボンド原則2021」および環境省「グリーンボンドガイドライン2020年度版」に適合している旨、第三者機関であるSustainalytics(サステイナリティクス)社からセカンドパーティ・オピニオンを取得 |
レポーティング |
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名称 | 三菱重工業株式会社第36回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(三菱重工グリーンボンド) |
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発行年限 | 5年 |
発行額 | 250億円 |
利率 | 0.14% |
発行日 | 2020年11月24日 |
償還日 | 2025年11月21日 |
資金使途 | 再生可能エネルギー/クリーンエネルギー事業(風力発電設備/事業・水素発電設備/事業・地熱発電設備/事業)に関連する新規又は既存の事業・プロジェクト |
取得格付 | AA-(株式会社 日本格付研究所(JCR)) |
主幹事証券会社 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社、SMBC日興証券株式会社、みずほ証券株式会社、大和証券株式会社、野村證券株式会社、BofA証券株式会社 |
グリーンボンドの適合性評価 | 国際資本市場協会(ICMA)による「グリーンボンド原則2018」および環境省「グリーンボンドガイドライン2020年度版」に適合している旨、第三者機関であるSustainalytics(サステイナリティクス)社からセカンドパーティ・オピニオンを取得 |
レポーティング |
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3. グリーンプロジェクトの概要
風力発電設備/事業
当社グループの風力発電設備事業は、1982年に日本での商用機第1号となる設備を納入して以降、現在まで4,200基超(約440万kW)の風力発電設備を国内外に供給してきました。
2014年には、デンマークのヴェスタス社(Vestas Wind Systems A/S)と洋上風力発電設備専業の合弁会社MHI Vestas Offshore Wind A/S(MVOW社)を設立し、同分野のグローバルトッププレイヤーのひとつに成長させました。2020年10月29日に当社とヴェスタス社は、現在当社が保有するMVOW社株式をヴェスタス社に譲渡し、ヴェスタス社のもとで陸上風車設備事業も含めた開発・製造を一元化し競争力強化を図る一方で、当社はヴェスタス社株式の2.5%を取得し、同社に取締役を派遣するなど、風力発電分野でのより一層のパートナーシップを強化することに合意しました。
また、洋上風力発電事業のバリューチェーン全体に目を向け、2020年7月 にデンマークのCopenhagen Infrastructure Partners P/S(CIP社)と北海道における洋上風力発電プロジェクトの開発のための合弁会社を設立し、CIP社と国内における洋上風力発電事業へ参入しております。
地熱発電設備/事業
当社グループは、今では地熱発電所の世界的な標準となっている「二相流体輸送」と「ダブルフラッシュ方式」の組み合わせを世界で初めて適用するなど、新しい地熱発電技術の開発に努めてきました。長期間にわたり蓄積した研究の成果に基づく地熱発電プラントは、世界中で高い性能と稼働率を実証しています。例えば2015年に運転開始したメキシコ ロス・アズフレス III 地熱発電所は、運開後1年間で99.6%の稼働率を示しました。当社グループでは地熱発電システムに関する豊かな知識、経験および技術を蓄積し、現在も納入実績で世界一を達成しており、これからも優れた地熱発電技術で安定した電力を送り続けます。
水素発電設備/事業
当社グループは液体燃料として水素を利用するロケットエンジンや水素製造設備等、様々な水素関連製品の製造・納入実績を有し、発電利用においても1970年頃から現在まで、約50年にわたり水素を含有する副生ガス利用の豊富な実績を有しています。
大型ガスタービンについては、独自開発の燃焼器技術などにより30vol%の水素混焼技術を確立しており、さらに、当社グループが実現可能性調査に参画するオランダの天然ガス焚きGTCC発電所の一部の発電設備(44万kW)を対象として、2025年までに100%水素専焼に転換するプロジェクトにも取り組んでおり、現在、同発電設備から排出されているCO2(年間約130万トン)をほぼすべて削減する計画です。