ポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)は、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)(注1)が策定したポジティブ・インパクト金融原則(注2)および同実施ガイドラインに基づき、企業活動が環境・社会・経済に及ぼすインパクト(ポジティブな影響とネガティブな影響)を包括的に分析・評価し、当該活動の継続的な支援を目的とした融資です。企業の活動、製品、サービスによるSDGs達成への貢献度合いを評価指標として活用し、開示情報に基づきモニタリングを行うことが最大の特徴です。
三菱重工は、2020年10月に発表した中期経営計画「2021事業計画」において、エネルギー供給側で脱炭素化を目指す「エナジートランジション」と、エネルギー需要側で脱炭素・省エネ・省人化を実現する「社会インフラのスマート化」を2つの成長領域に定めました。これら領域の事業や既存事業の脱炭素化・電化・知能化の推進に必要な資金調達の一環として、ESGファイナンスの活用を進めています。
PIFの融資契約を締結するに当たり、SDGs(持続可能な開発目標)の目標達成に対しインパクトを与える活動として、三菱重工グループの重要課題(マテリアリティ)ほかからテーマを選定しました。定性的、定量的な評価を各金融機関から受けると共に、格付機関から評価にかかる手続きのポジティブ・インパクト金融原則への準拠性、活用した評価指標の合理性について第三者意見を取得しています。
三井住友信託銀行株式会社とのポジティブ・インパクト・ファイナンス融資契約
日本生命保険相互会社とのポジティブ・インパクト・ファイナンス融資契約
株式会社 三菱UFJ銀行とのポジティブ・インパクト・ファイナンス融資契約
- 1国連環境計画(UNEP)は、1972年に「人間環境宣言」および「環境国際行動計画」の実行機関として設立された国連の補助機関です。
UNEP FIは、UNEPと200以上の世界の金融機関による広範で緊密なパートナーシップであり、1992年の設立以来、金融機関、政策・規制当局と協調し、経済的発展とESG(環境・社会・ガバナンス)への配慮を統合した金融システムへの転換を進めています。 - 2UNEP FIが2017年1月に策定した、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた金融の枠組です。企業がSDGsの達成への貢献をKPIで開示し、銀行はそのプラスの影響を評価して資金提供を行うことにより、資金提供先企業によるプラスの影響の増大、マイナスの影響の低減の努力を導くものです。融資を実行する銀行は、責任ある金融機関として、指標をモニタリングすることによって、インパクトが継続していることを確認します。
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