AI・DX

AI・DXの力で未来のバリューチェーンを変革する

主要技術

1.オペレーションズリサーチ・機械学習等を用いた知能化システム(スケジューラ、製造実行システム等)

2.自然言語理解による、文書情報の分類・検索、および知識構築

3.拡張現実(AR:Augmented Reality)を用いた作業指示・検査支援

4.IE(Industrial Engineering)分析をベースとした、作業動作や、現場作業者の位置を計測する技術を組み合わせたプロセス改善技術

5.機械学習を用いた異常診断・予兆技術

6.機械学習による電力需要・電力市場価格の予測技術と運転最適化

開発事例

1.生産システムの知能化

三菱重工のさまざまな製品をお客様への納期を守って生産するには、原材料の入手時期や、設備、作業者、作業場所等の制約条件を考慮した生産計画を立案する必要があり、計画担当者の経験やスキルによらず、組合せ最適化技術を用いて自動的に計画を立案するスケジューラを開発しました。また、スケジューラで立案した計画を生産現場に作業指示としてタイムリーに伝達し、作業実績を効率的に収集するために、スマートフォンやタブレット端末を活用したシステムも開発しました。
これらのシステムを連携させ、収集した作業実績を次の生産計画にフィードバックするサイクルを素早く回すことで、さまざまな変動要因に対応できるように生産現場を支援しています。

スケジューラ/製造実行システム(MES)

2.自然言語処理技術の活用

三菱重工では、多種多様な製品において、営業・企画から、設計・製造・アフターサービスに至るすべてのバリューチェーンにおいて膨大な文書情報を扱っています。例えばマーケティングのための顧客情報収集や、設計における技術図面検索、研究開発での類似先行研究調査などが挙げられますが、これらを人手で作業する際には多大な時間と労力がかかります。
そこでテキスト情報に機械学習の手法を適用して、文書を分類、要約、比較等をする技術を開発し、社内外のテキスト情報から、ユーザが欲しい情報を抽出することで、文書関連の業務改善に貢献しています。

多種多様な文章情報

3.現場作業へのAR技術活用

従来の生産現場では、作業者が紙の作業指示書や手順書を見ながら作業を行い、作業記録を紙に記録していましたが、これらの作業の効率化、作業ミスの低減を目的として、Microsoft社のHoloLens等の透過型グラスディスプレイを活用しています。
グラスディスプレイに、作業指示情報を表示したり、部品を取り付ける位置や部品番号を製品にAR重畳表示を行う、作業指示・検査支援システムを開発しました。これにより、紙の手順書を見る手間を無くし、実際の製品を見ながら検査記録を入力できるようにする等、生産性の向上につながりました。

作業ナビゲーションシステム

4.動線解析による現場改善

これまでは、生産現場の作業改善を行うには、作業者の横に観測者が付いてストップウォッチを持ちながら作業観測をして、作業の内容を記録していましたが、この方法では多くの作業現場の改善を行うのに多大な労力と時間がかかっていました。
そこで、作業者の持つスマートフォンの位置情報や加速度情報を元に作業者の動線を解析する技術を開発しました。これにより手間と時間をかけずに多数の作業者の動線や作業場所に滞在した時間を取得できるようになり、レイアウト変更等の生産現場の改善につなげています。

作業観測/動線解析による改善

5.遠隔監視システムにおける異常診断・予兆検知

三菱重工は、数多くの製品を世界各国のお客様に納めており、納入した製品を安心して使っていただけるよう、安定的に運転するとともに、トラブル時には早期に復旧することが、アフターサービスとして非常に重要です。一方、これまでは製品の運転や点検は運転員やサービス員のノウハウに依存する部分が多く、これらの自動化・IT化が望まれていました。
そこで当社の各製品への豊富な実績・知見と膨大な運転データを有効活用して、納入した製品(ガスタービン、大型冷凍機等)の大量の運転データの傾向を監視するとともに、機械学習の手法を用いて異常を診断・予兆することで、製品の安定運転に貢献しています。

遠隔監視事例

6.電力入札の最適化

世界的に脱炭素化と電力の安定供給が求められており、各地で再生可能エネルギーの発電事業開発が進んでいます。また、それと同時に電力の自由化も促進されており、市場での電力ビジネスへの参入が活発化しています。
市場での電力売買では、再エネの発電量や電力需要、電力価格等の不確実な要素が多数あることから、これらをより精度よく予測して入札することが収益確保にとって重要になります。そこで、機械学習によって再エネ発電量や、電力需要、電力市場価格を予測するとともに、入札のリスクを定量化することで、電力市場からの収入が最大となるように設備の運転状態と入札電力量を決める技術を開発しました。
出典: https://www.mhi.co.jp/technology/review/pdf/593/593030.pdf

発電設備の運用最適化