ガスホルダ:技術情報
COS型ガスホルダの機構
COS型ガスホルダは、大容量のガスを貯蔵する、容量可変のガス貯蔵タンクです。
鋼製外殻の中に内屋根を持ち、ガスの容量に応じて内屋根が上下します。
内屋根は摺動式で、内屋根と外殻の隙間からガスが漏れるのを、その上部に粘性流体(シール油)を貯めてその圧力(静圧)で封止します。
シール油は隙間から少しづつホルダ底部へ流下し、それをホルダ天井部へ汲み上げて内屋根部へ循環・再供給し、必要な静圧を確保します。
ガスホルダの各種技術
耐震対策技術
解析ノウハウ
ガスホルダは一般的なタンク(LNGタンクなど)と異なり、重い内屋根(ピストン)が外殻内部を貯蔵ガスの量に応じて上下する、特殊な構造をしています。
従って、地震時のピストンの高さによってその挙動が変化します。
またその挙動も外殻とピストンにて複雑かつ複合する挙動となります。
この挙動を把握するため時刻歴応答解析を行っています。
解析のためには高度な解析能力と共に適切な条件の設定を行う知見・ノウハウが必要となります。
耐震対策
地震国日本では高レベルの耐震対策が求められます。
ガスホルダは形式、容量、貯蔵ガス圧力などにより地震時の挙動が異なり、また地震波の大きさ、ピーク周期などによって、揺れの大きさが変わります。
適切な解析とその結果に応じた豊富な耐震対策を準備しております。
大型構造物の建設技術
ガスホルダは直径40~50メートル、高さ80~100メートルの大型タンクです。
この大型構造物を短工期で建設するには、綿密な計画力、調達力、架設能力といった施工能力及び施工管理能力、それに加えて安全・品質管理能力が必要となります。
また、配管や諸設備に囲まれた狭隘な場所で、ガスホルダを建設するには、更に高い総合力が必要になります。
私たちは狭隘な場所での建設実績を豊富に有しております。
設備調整・維持管理ノウハウ
ガスホルダが機能を十分に発揮するには定期的な点検と調整が欠かせません。
故障の前兆は異音・傾斜の増大・ポンプステーションの運転回数増加などに顕われます。
ガスホルダは大量の可燃性ガスを貯蔵する重要な設備で省エネルギーの要となるものですので、異常を感じたらすぐにご相談ください。
各種メンテナンス技術
- 定期点検、シールゴム残量計測、ポンプステーション点検、ピストン走行試運転など
- ピストン傾斜調整
- 腐食箇所の交換・更新
- 腐食した底板の二重張り、他