三菱重工グループは、社会課題の解決を通じて企業価値を向上させ、中長期的に成長していくために、当社グループが取り組んでいくべき重要課題(マテリアリティ)を2020年に特定しました。事業を通じてSDGsへ貢献している事例をご紹介します。
安全・安心な社会の構築
豊かな暮らしを実現するためには、人々が安全・安心に過ごせる社会が必要です。
近年、自然災害、パンデミック、サイバー空間含めた安全保障環境の変化といった様々なリスクが顕在化しています。重要インフラをレジリエントでサイバーセキュリティにも強いものへと変革し、安全・安心な社会を構築することが期待されています。
目標3:輸送冷凍機
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スーパーマーケットやコンビニに並ぶ冷凍食品の配送に欠かせない冷凍車。最近では食品以外にも、より正確な温度管理が求められる医薬品や電子機器などの輸送にも冷凍機の需要が増大しており、災害やパンデミック等への貢献も期待されています。当社グループは、1967年に冷凍トラック向冷凍機の商品化を実現して以降、隠れた社会インフラである、コールドチェーン(物流における冷凍輸送)事業を展開しています。近年は、環境への意識の高まりにより、電動式輸送冷凍機を主に日本、欧州市場に展開しています。
目標9:YHH
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当社は、ベンチャーやものづくりに携わる企業、自治体、研究・教育機関などが集う共創空間「Yokohama Hardtech Hub」を、2020年10月より神奈川県横浜市の本牧エリアに本格オープンしています。横浜製作所 本牧工場内の建屋を利用し、クレーンや電源等のユーティリティの他、8メートルを超える天井高さ、高い地耐力など、入居者の試作・検証ニーズに対応できる環境を有しています。2021年4月現在で7社が入居しており、Hardtechのイノベーション創発に取り組んでいます。
目標11:ごみ焼却発電プラント
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当社グループでは、一般家庭のごみを焼却処理し、焼却により発生した熱を発電などに有効利用する「ごみ焼却発電(Waste-to-Energy)プラント」を手掛けています。ごみをエネルギー資源として活用しながら処理を行い、減容化、無害化、安定化することで、地域の環境負荷低減に貢献しています。
また、プラントの新規建設工事だけでなく、DBO案件(Design Build Operate)のプラント運転、アフターサービスやプラントの長寿命化など幅広いサービスも提供し、近年ではプラントの安定稼働のため、AI・IoT技術を使った遠隔監視や高度運転支援システム(MaiDAS®)を広く導入することで、安全・安心な社会の構築が期待されます。
これまで国内外で118件のWaste-to-Energyプラントを納入しています。
目標13:CO2回収技術
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温室効果ガス排出の実質ゼロを目指す上で注目されているのが、温室効果ガスそのものを大気中に放出させないCO2回収技術です。当社グループは、化学プラントや発電所向けにCO2回収プラント(商用機)を世界13カ所に納入しており、世界トップシェアを誇っています。
世界的なカーボンニュートラルの実現に向けた動きが活発化し、今までの市場に加えて、バイオマス発電所や製鉄・セメント工場、ごみ焼却施設等の排ガスからのCO2回収や、大気からの直接回収(DAC:Direct Air Capture)といった幅広い分野でニーズが高まっています。
こうしたニーズに対応するため、2020年12月に三菱重工エンジニアリングに「脱炭素事業推進室」を新設し、よりお客様が導入しやすい回収装置の開発や回収技術の適用先拡大をリードしていきます。
目標16:サイバーセキュリティ
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企業や政府機関等へのサイバー攻撃は、増加の一途をたどっています。高度な対応が求められる制御システムに対するサイバー攻撃も、高度化・大規模化する一方です。当社はインフラ制御システム向けサイバーセキュリティソリューション「InteRSePT®」を製品化し、安心・安全な社会の実現を支えています。
また、当社は、2019年9月にはサイバーセキュリティに関する国際イニシアチブである、Charter of Trustにアジア企業として初めて参加しています。