三菱重工グループは、社会課題の解決を通じて企業価値を向上させ、中長期的に成長していくために、当社グループが取り組んでいくべき重要課題(マテリアリティ)を2020年に特定しました。事業を通じてSDGsへ貢献している事例をご紹介します。
AI・デジタル化による社会の変革
人々がより快適で便利な生活を送るためには、都市化や先進国の労働人口の減少、物流の膨張・複雑化といった課題の解決が必要です。経済発展と社会的課題の解決を両立するためには、AI・デジタル化を活用し、今までの価値観や産業のあり方を脱することが期待されています。
目標8:QoEn®
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当社は、質の高いエネルギーインフラ開発を実現するため、社会・経済・環境の3側面から、持続可能性を定量的に示す指標「QoEn®(注)」を開発しています。これにより都市開発等の計画段階から、必要なエネルギー供給を賄うことができ、かつ地域の持続可能な成長を実現するエネルギーインフラを提案します。
豪州西シドニー地域の総合開発計画においてはQoEn®を用いた最適なエネルギーインフラの提案を行っています。- QoEn®(クウォン:日本語の久遠のニュアンスを取り入れた造語)およびそのマーク、ロゴは三菱重工業株式会社の商標です。
目標9:物流機器
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私たちの生活に必須の社会インフラである物流網を支えるために、フォークリフトや無人搬送機などの物流機器を手掛けています。急速な人手不足を背景とした物流現場における自動化ニーズに応えるために安全かつ環境にやさしい高性能な無人搬送車(AGV)/無人フォークリフト(AGF)の開発を進めています。
2017年に発売したレーザー誘導方式AGFは床面工事不要で環境負荷を大幅に低減させた他、これまで床面工事不可とされた貸し倉庫など物流倉庫業へのAGFの導入を可能としています。
目標11:新交通システム
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現在、世界人口の55%が都市部に暮らしており、2050年には68%に達すると予想されています。都市化の問題を解決するためには、交通渋滞の緩和やCO2排出量の削減を目的とした自動車から他の交通手段への転換が期待されています。電力駆動、無人運転技術により完全自動走行する当社グループの新交通システムは、ゴムタイヤ方式で走行も滑らかかつ低騒音で、排気ガスも出ないことから、環境面でも評価されています。鉄道と比較し、路線レイアウトの自由度が高い、建設費が安い、建設期間が短いなどの強みがあります。
世界の様々な都市の都市交通や空港のターミナル間移動で利用されており、人々に安全で快適な移動サービスを提供しています。
目標13:ENERGY CLOUD®
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当社グループは発電システムの製造事業者であると共に、国内外に多数の生産設備を有するエネルギー需要家でもあり、両方の知見を活かした工場向けエネルギーソリューションを提供しています。
独自のAI・IoT技術を活用したデータ取集システムで生産設備の稼働率やエネルギー消費量を見える化し、工場管理の高度化により、効率的で働きやすい工場運営を実現します。自社工場にも導入し、効率改善を行っています。