株式会社 三菱UFJ銀行とのポジティブ・インパクト・ファイナンス融資契約

三菱重工は、株式会社三菱UFJ銀行との間で同社が提供するポジティブ・インパクト・ファイナンス(注1)の融資契約を締結しました。

本契約の締結にあたり、SDGs(持続可能な開発目標)の目標達成に対し、インパクトを与える活動として、三菱重工グループの重要課題(マテリアリティ)ほかから以下のテーマが選定されました。 定性的、定量的な評価は三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が行い、株式会社日本格付研究所(注2)から評価にかかる手続きのポジティブ・インパクト金融原則への準拠性、活用した評価指標の合理性について第三者意見を取得しています。

これらの取り組みにおける成果は、三菱重工ウェブサイトや統合報告書などによって開示する予定です。

取組テーマ・内容・目標・KPI

テーマ 内容 目標と指標(KPI) SDGs
脱炭素社会に向けたエネルギー課題の解決 エネルギー利用効率の大幅な改善やCO2回収・固定化などによる既存設備の継続利用および炭素循環の推進、カーボンフリー燃料の導入、世界最高水準の安全基準に適合した原子力や再生可能エネルギー利用拡大

【目標】

  • 2040年までに三菱重工グループの事業活動を脱炭素化(Scope1,Scope2)
  • 2050年までに脱炭素化社会を実現するエネルギーインフラ構築に貢献(供給側)
  • 2050年までにエネルギー需要部門の脱炭素化に貢献
  • 循環型社会・システムの構築に貢献

【モニタリング項目(KPI 等)】

  • Scope1、Scope2排出量
  • 製品使用によるCO2削減貢献量
  • 再生可能エネルギー利用量
  • 再生可能エネルギー設備導入量
7,12,13
AI・デジタル化による社会の変革 固定観念からの脱却とAI・デジタル化の最大限の活用を通じて、経済発展と社会的課題の解決を両立する社会(Society5.0)を実現

【目標】

  • 顧客や利用者に寄り添った便利でサステナブルなAI/デジタル製品の拡充
  • 未来型エネルギーマネジメントの提案
  • クリエイティブな製品を生み出すための環境づくり

【モニタリング項目(KPI 等)】

  • 目標に関連する取組状況
8,9,11,13
安全・安心な社会の構築 重要インフラの構築や、宇宙・深海といった未知の世界への挑戦など、社会の発展に寄与してきた実績と、数多くの知見を結集、応用することで柔軟かつ強靭、省人化にも優れたシステムを構築し、より安全・安心な社会の実現に寄与

【目標】

  • 重要インフラのレジリエント化
  • 重要インフラの無人・省人化
  • MHI全製品の継続的なサイバーセキュリティ対策の深化
  • ドメイン横断的なセキュリティ技術を製品化
  • 各製品のセーフティとセキュリティの両方が考慮できる技術者の育成

【モニタリング項目(KPI 等)】

  • 目標に関連する取組状況
3,9,11,13,16
ダイバーシティ推進とエンゲージメントの向上 ダイバーシティと健康経営の推進を通じて、持続的な事業を支える“人材”の成長と健康維持を支援。在職中はもちろん、退職後も、活力にあふれ社会に貢献できる人材づくりを進める

【目標】

  • 多様な人材による新たな価値創出
  • 安全で快適な職場の確保
  • 健やかで活力にあふれ社会に貢献できる人材づくり
  • 一人ひとりの自発的・自律的な成長の支援・促進
  • エンゲージメントの向上

【モニタリング項目(KPI 等)】

  • 障がい者雇用率
  • 女性管理職者数
  • 従業員における女性比率
  • 管理職における女性比率
  • ゼネラルマネージャー層における女性比率
  • 役員における女性比率
  • プロフィットセンター管理職における女性比率
4,5,8,10,17
コーポレートガバナンスの高度化 コンプライアンス経営の推進や内部統制の強化により、法令遵守や誠実・公平・公正な事業慣行を徹底。組織にとっての機会・リスクを迅速に把握し、適切に対処。また、社会から信頼される企業グループであるために、経営に関する適時適切な情報開示を実施し、公平性・透明性の担保も同時に展開

【目標】

  • 取締役会審議のさらなる充実
  • 法令遵守と誠実・公平・公正な事業慣行の推進
  • CSR調達のグローバルサプライチェーンへのさらなる浸透
  • 非財務情報の説明機会創出

【モニタリング項目(KPI 等)】

  • コンプライアンス違反件数
  • 広告宣伝に関する違反件数
  • 環境に関する違反件数
  • CSR調達方針の周知社数
  • 過去3年間に評価を行ったサプライヤー数
16,17
環境への負荷の低減 水使用量の削減

【目標】

  • 2023年度の水使用量原単位を、2014年度比で7%改善(水は工業用水、上水、地下水、河川水、湖水とし、海水は除く)

【モニタリング項目(KPI 等)】

  • 水使用量原単位
12
環境への負荷の低減 廃棄物発生量削減

【目標】

  • 2023年度廃棄物排出量原単位を、2014年度比で7%改善(ただし、有価物を除き、有害廃棄物を含む)

【モニタリング項目(KPI 等)】

  • 廃棄物排出量原単位
12

2022年3月14日付ニュース

  • 1ポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)は、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)(注1)が策定したポジティブ・インパクト金融原則(注2)および同実施ガイドラインに基づき、企業活動が環境・社会・経済に及ぼすインパクト(ポジティブな影響とネガティブな影響)を包括的に分析・評価し、当該活動の継続的な支援を目的とした融資です。企業の活動、製品、サービスによる SDGs達成への貢献度合いを評価指標として活用し、開示情報に基づきモニタリングを行うことが最大の特徴です。
    国連環境計画(UNEP)
    1972年に「人間環境宣言」および「環境国際行動計画」の実行機関として設立された国連の補助機関です。UNEP FIは、UNEPと200以上の世界の金融機関による広範で緊密なパートナーシップであり、1992年の設立以来、金融機関、政策・規制当局と協調し、経済的発展とESG(環境・社会・ガバナンス)への配慮を統合した金融システムへの転換を進めています。
    ポジティブ・インパクト金融原則
    UNEP FIが2017年1月に策定した、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた金融の枠組です。企業がSDGsの達成への貢献をKPIで開示し、銀行はそのプラスの影響を評価して資金提供を行うことにより、資金提供先企業によるプラスの影響の増大、マイナスの影響の低減の努力を導くものです。融資を実行する銀行は、責任ある金融機関として、指標をモニタリングすることによって、インパクトが継続していることを確認します。
  • 2株式会社日本格付研究所について、詳しくは以下ウェブサイトをご参照ください。
    https://www.jcr.co.jp/

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