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当社論文が空気調和・衛生工学会の第61回学会賞論文賞(学術論文部門)を受賞

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  • 将来のスマートグリッドにおける電力需給安定化を視野に入れた研究成果で評価
  • 空調電力と室内温度の機械学習による予測技術で、トレードオフの関係にあった空調の快適性と消費電力低減を両立

三菱重工サーマルシステムズ株式会社(社長:佐々倉 正彦、本社:東京都千代田区、以下、三菱重工サーマルシステムズ)はこのほど、「リアルタイム電力料金に適応するビルマルチ空調機群優先エリア複合制御の応答予測ニューラルネットモデル―DNA解析法と仮想電力制限指令による訓練データ収集方式の評価―」で、公益社団法人空気調和・衛生工学会が主催する空気調和・衛生工学会賞の第61回学会賞論文賞(学術論文部門)を受賞しました。

空気調和・衛生工学会賞は、1963(昭和38)年以来、学術と技術の進歩を図る目的で、会員の論文、設備技術の業績などの中から特に優秀なものを毎年表彰しています。

日本では、電力系統への再生可能エネルギー導入拡大に伴う電力需給バランスの安定化に対応するため、デマンドレスポンス(注1)への対応が経済産業省資源エネルギー庁により推進されており、需要を制御する1つの方法としてリアルタイム電力料金制度(注2)が導入される可能性があります。

今回受賞した技術は、岐阜大学とのスマートグリッド電力制御工学共同研究において得られた成果であり、建物において大きな電力需要を占めるビル用マルチ空調機を対象に、従来トレードオフの関係にあった空調の快適性と消費電力低減を、機械学習による空調電力と室内温度の予測技術で最適に制御することで成立させる新方式を提案しています。将来の電力料金単価の変動と電力制限指令による空調電力量を1つの評価関数とし、最適となる空調制御を実行するプロセスを全て遠隔操作機器と空調機同士のM2M(Machine to Machine)で実現しています。これにより、従来手動の設定で行っていたデマンドレスポンス制御から脱却し、システムによる最適な自動デマンドレスポンスを実現することが可能となります。

三菱重工サーマルシステムズは今回の受賞を励みに、一人ひとりのお客様に寄り添った技術・製品開発に引き続き取り組み、特長である冷熱事業領域の広さを生かしたシナジーによる総合技術力で、お客様の多種多様なニーズに応じた最適なサーマルソリューションを提供していきます。

  • 1需要家側エネルギーリソースの保有者もしくは第三者が、需要家側エネルギーリソースを制御することで、電力需要パターンを変化させることです。
  • 2時間毎に形成される卸電力市場価格を反映した電力料金制度のことで、10分程度の時間を想定しています。
第61回学会賞表彰式
第61回学会賞表彰式
(5月12日、東京都港区の明治記念館にて)
空気調和・衛生工学会賞
空気調和・衛生工学会賞
(公益社団法人 空気調和・衛生工学会ホームページから抜粋)

以上

担当窓口:空調機技術部