加圧水型原子力発電プラント:原子力関連環境装置
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原子力関連環境装置

気体関連

加圧水型原子力発電プラント(PWR)で用いられる気体関連装置は、気体廃棄物の性状に合わせた処理を行なった後、ガス減衰タンクなどで一定期間貯留を行ない、放射能を減衰させた上で放射性物質濃度が環境に与える影響がないことを監視しつつ排出を行なう放射性廃棄物処理装置です。以下に装置の一例としてガス圧縮装置を紹介します。

ガス圧縮装置

ガス圧縮装置は、窒素主体の廃ガスを圧縮してガス減衰タンクに送り込む装置です。処理の流れを示す図1の通り、廃ガスはガス圧縮機で圧縮され、気水分離器で水分を分離後にガス減衰タンクへと送られます。

ガス圧縮装置概略系統図

液体関連

加圧水型原子力発電プラント(PWR)で用いられる液体関連装置は、液体廃棄物の性状に合わせて分離回収し、フィルタ、蒸発器、脱塩塔などで処理した後、蒸留水などは再利用するかまたは放射性物質濃度が環境に与える影響がないほど十分に低いことを確認し、その濃度を監視しながら排出する放射性廃棄物処理装置です。 設備構成は、液体廃棄物の性状により、ほう酸回収系、廃液処理系、洗浄排水処理系に大別されます。以下に装置の一例として廃液蒸発装置を紹介します。

廃液蒸発装置

廃液蒸発装置は、原子力発電プラントで発生する機器排水・床排水、及び洗濯排水を蒸発濃縮し、減容化する装置です。 廃液蒸発装置では、廃液は加熱器で加熱され、水分が蒸発します。水分が蒸発していくことにより廃液は徐々に濃縮されていきます。一方、蒸発した水分は冷却器で冷やされ蒸留水として再利用もしくは排出されます。

処理フロー

固体関連

加圧水型原子力発電プラント(PWR)は、原子炉で発生する使用済樹脂や雑固体廃棄物を減容し、液体廃棄物を減容し固化する装置、また、固体廃棄物やドラム缶などの廃棄体を搬送する装置など、様々な放射性廃棄物処理技術が導入されています。

切断した配管、雑機材(番線、電線、軽金属片)、一般雑固体(紙、布、ウェス)は圧縮処理で減容された後、ドラム缶詰めされます。液体廃棄物は水分を蒸発させ減容した上、ドラム缶内で固化され、安定した固化体として取り扱えるようにしています。例として以下が挙げられます。

  • ほう酸廃液を減容セメント固化する装置
  • 使用済の樹脂を処理する装置
  • 固体廃棄物を圧縮減容する装置
  • 廃液をセメント固化する装置
  • 搬出する廃棄体を検査する装置

薄膜乾燥・セメント固化装置

薄膜乾燥・セメント固化装置は、加圧水型原子炉の1次系に用いられているほう酸を含んだ廃液等を処理するための装置です。処理の流れは、下図の通り、ほう酸廃液から水分を蒸発乾燥させ、ほう酸粉体とします。その粉体はセメントによって固化され,200リットルドラム缶詰めされます。

処理フロー

使用済樹脂処理装置

使用済樹脂処理装置は一次冷却材等の浄化のため脱塩塔で使用されたイオン交換樹脂を処理するための装置です。

基本原理

ベイラ

ベイラは、発電所から発生する廃棄物のうち、雑機材(番線、電線、軽金属片)ならびに一般雑固体(紙、布、ウェス等)を減容処理する設備です。

減溶装置・ベイラ
金属パイプ圧縮例

高性能セメント固化装置

高性能セメント固化装置は原子力発電プラントから発生する廃液をセメントで固化する装置です。

高性能セメント固化装置構造

廃棄体搬出検査装置

低レベル放射性廃棄物搬出検査装置は、ドラム缶(セメント固化ドラム及びアスファルト固化ドラム)が低レベル放射性廃棄物埋設センターの埋設基準に適合しているか検査する装置です。すべての検査を終えて合格したドラム缶は輸送用コンテナに収納します。

低レベル放射性廃棄物搬出検査装置

プラント保全

三菱重工では、原子力プラントを安全・安定に運転し続けることができるようにプラント保全に役立つ装置を供給しています。
装置の一例として以下に加圧水型原子力発電プラント(PWR)で使われる脱気装置を紹介します。

脱気装置

脱気装置は加圧水型原子炉の一次冷却材系統中から腐食の原因となる溶存酸素ガスを除去し、プラント保全を行なうとともにプラント起動工程の短縮に寄与します。 装置の原理は下図の通り、頂部より処理水をスプレー散布し、下部より注入される高純度窒素ガスと気液接触させ脱気します。

系統図

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