加圧水型原子力発電プラント:改良開発
加圧水型原子力発電プラント:改良開発
改良開発
運転性能の向上
原子力発電プラントの安定した運転を維持し稼働率を向上させるためには、システムの信頼性が高く、しかも効率よく容易に操作できる計測制御設備が不可欠で す。三菱加圧水型原子力発電プラントでは最新のコンピュータ技術やエレクトロニクス技術を活用して、運転操作の容易な中央制御盤や制御保護装置のディジタ ル化などの開発に取組み、運転性能の向上を図っています。既設プラントでは、運転性能向上を図るための中央制御盤一括取替と共に、計装制御装置とケーブルの取替を行った実績を有しています。
新型計装設備
ソフトオペレーション化中央制御盤
運転操作性の向上
- 移動距離の削減
- 潜在的監視ミスの半減
- 運転員数の半減
総合ディジタル化制御監視装置
運転・制御性の向上
- 自動化範囲の拡大
- 日負荷追従運転
- AFC/GF(注)運転などの運転多様化
信頼性・安全性の向上
- 誤操作、誤トリップの低減
保守・試験性の向上
- 自己診断機能および自動試験装置による保守・試験時間の短縮
設備物量の低減
- 制御盤、ケーブル量の低減
ディジタル原子炉安全保護装置
運転・制御性の向上
- 自動化範囲の拡大
- 日負荷追従運転
- AFC/GF(注)運転などの運転多様化
信頼性・安全性の向上
- 誤操作、誤トリップの低減
保守・試験性の向上
- 自己診断機能および自動試験装置による保守・試験時間の短縮
設備物量の低減
- 制御盤、ケーブル量の低減
多重信号伝送とケーブルの多芯化
設備物量の低減
- 制御盤、ケーブル量の低減減
- AFC:自動周波数調整、GF:ガバナ・フリー
保全技術
プラント納入後もお客さまの立場に立って、設備、機器、装置、部品の一点一点を豊富な経験と確かな技術で見守り続けるとともに、あらゆる面からの改善を図り、原子力プラントの安全性、信頼性、経済性の向上に努めています。
- 点検・検査技術
- 現在まで30数年にわたり、原子力発電所の主要な設備を中心に検査を実施してきており、その豊富な経験をもとに点検・検査技術および装置の開発・改良を進めています。 放射線下の作業となるため、作業者の被ばく低減を図るための遠隔操作が可能な高度なロボットの開発と適用、定期検査期間短縮を目指した検査の高速化と最新コンピュータ技術を駆使した高速データ処理の採用、さらに機器の健全性評価方法の向上のための、精度の高い検査技術の開発などあらゆる方面から高度な検査技術の追求を行っています。
インテリジェントECTシステム
インテリジェントECTシステムは、加圧水型軽水炉プラントの主要機器である蒸気発生器の伝熱管の探傷検査に用いるものです。従来の高速探傷検査と同じ検査速度(400mm/秒)で、より精度の高い探傷検査能力を実現しました。また、伝熱管の全数全長検査に対応する高度分析システムも開発し、大容量の検査データの高速かつ正確な分析も可能にしました。現在、国内の加圧水型軽水炉プラントの多くで採用されるとともに、米国や台湾の加圧水型軽水炉プラントでもその採用が広がりつつあります。
- 点検・検査技術
- 現在まで30数年にわたり、原子力発電所の主要な設備を中心に検査を実施してきており、その豊富な経験をもとに点検・検査技術および装置の開発・改良を進めています。 放射線下の作業となるため、作業者の被ばく低減を図るための遠隔操作が可能な高度なロボットの開発と適用、定期検査期間短縮を目指した検査の高速化と最新コンピュータ技術を駆使した高速データ処理の採用、さらに機器の健全性評価方法の向上のための、精度の高い検査技術の開発などあらゆる方面から高度な検査技術の追求を行っています。
世界初 加圧水型原子炉の炉内構造物一体取替え工事を実施炉内構造物を分割・切断せずに取り出す新工法を採用
三菱重工は、四国電力伊方発電所1号機(56万6,000kW)において、世界で初めて原子炉容器内部にある上部・下部炉内構造物の一体取替え工事を実施 しました。この工事は、高燃焼度燃料の採用に伴う制御棒増設への対応と、炉内構造物を構成するバッフル板を取り付けているボルト(バッフルフォーマボル ト)の応力腐食割れによる海外での損傷事例を受けた予防保全として、最新設計の炉内構造物への取替えを実施したものです。取替え対象である既設の炉内構造 物を分割・切断せず、一体のまま大気中で原子炉容器から取り出す新工法の開発により、短工期(5ヵ月)での取替えを完遂したほか、工事従事者の大幅な被ば く低減も達成しました。