CCUS(CO₂の回収・利用・貯留)

[ エナジートランジション ]

多様な排出源からのCO₂回収取り組み事例

当社はCO₂回収技術のリーディングカンパニーとして幅広くCO₂回収技術を提供し、下記の様な多様な排出源からのCO₂回収に取り組んでいます。

世界最大のCO₂回収プロジェクトである米Petra Nova Carbon Captureプロジェクトに装置を納入

三菱重工は、米国テキサス州ヒューストン南部の石炭燃焼排ガスを対象とした世界最大のCO₂回収プロジェクトであるPetra Nova Carbon CaptureプロジェクトにCO₂回収装置を納入し、2016年12月末に商業運転が開始されました。
本プロジェクトは、JX石油開発株式会社の子会社であるペトラノヴァ・パリッシュホールディングス社(Petra Nova Parish Holdings LLC)が推進する大型原油増進回収(Enhanced Oil Recovery:EOR)プロジェクトです。
本CO₂回収プラントは、排ガスの前処理設備(脱硫)、CO₂回収・再生設備、CO₂圧送設備、ユーティリティー設備などで構成され、排ガス中にCO₂が多く含まれる石炭焚き火力発電設備から4,776トン/日のCO₂を回収し、CO₂回収率(注)は90%です。

(注)CO₂回収率(%):燃焼排ガス中に含まれるCO₂量に対する、当社CO₂回収プラントで回収されるCO₂量の割合。

セメント工場向けCO₂回収装置:実証実験(カナダ)及び英国初の CO₂回収プラントの基本設計(FEED)

三菱重工は、世界的な大手セメントメーカーであるハイデルベルク・マテリアルズ社(Heidelberg Materials )がカナダ・アルバータ州エドモントンに有する既設セメントプラント向けに小型CO₂回収装置「CO₂MPACT™(コンパクト)」を2023年に納入し、CO₂回収実証試験を行っています。また、同社の英国フリントシャー州のペイズウッドセメント工場(Padeswood Cement Works)向けCO₂回収プラントの主要装置やプラント仕様などの検討をさらに進める基本設計(FEED:Front End Engineering Design)も2024年に受注しました。当社は、当社は、エネルギー、化学、資源分野におけるグローバルなインダストリアルエンジニアリング企業であるウォーリー社(Worley)と提携して今回のプロジェクトを遂行し、関西電力株式会社との共同開発による独自のCO₂回収技術「Advanced KM CDR Process™」を適用したCO₂回収プラントの基本設計を担います。
こうした取り組みを通じて、セメント産業分野の脱炭素化をリードするというハイデルベルク・マテリアル社のビジョンに貢献するとともに、CCUSバリューチェーンの構築を推進しています。

液化CO₂船舶輸送の実証試験船の命名引渡式を下関で実施
「えくすくぅる」の名称で地球環境保全に貢献

三菱重工グループの三菱造船株式会社(三菱造船)は2023年、NEDOの「CCUS研究開発・実証関連事業/苫小牧におけるCCUS大規模実証試験/CO₂輸送に関する実証試験」(以下、本実証事業)で活用する液化CO₂(LCO₂)輸送の実証試験船(以下、本船)の命名引渡式を、船体船主である山友汽船株式会社ほか関係者立ち会いの下、三菱重工業下関造船所江浦工場(山口県下関市)で行いました。
CO₂を回収して転換利用や貯留を行うCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)は、カーボンニュートラル社会を実現するための有効な手段として注目されています。CO₂の排出地と貯留地・活用地は離れていることが多いことから、CO₂を安全かつ低コストで輸送する手段としてLCO₂輸送船は将来的な需要の拡大が期待されています。三菱重工グループは、これまで液化ガス輸送船(LPG・液化石油ガス輸送船、LNG・液化天然ガス輸送船)建造で培った知見や高度なガスハンドリング技術などを活用し、本船に搭載される舶用タンクシステムを含む本船の設計から建造までを一貫して担っています。
 

お問い合わせ

製品・ソリューションについてのご相談はこちら