エンジニアインタビュー(神戸)

オフィスビルや商業施設、工場設備などを快適な室温に保つ空調システム。その一翼を担う、ターボ冷凍機の開発や販売支援に従事する大型冷凍機技術部の女性社員3名に、職場の雰囲気や、ワークライフバランスの実現には欠かせない福利厚生制度について本音で語り合ってもらいました。

プロフィール

清水さん

大型冷凍機技術部
販売支援グループ
主席チーム統括
2008年入社

中村さん

大型冷凍機技術部
サービス課
主任
2014年入社

中野さん

大型冷凍機技術部
設計課
2010年入社
 

  • 社員の所属・役職・担当業務等は取材当時のものです。

対談テーマ

自社製品が暮らしを支えていることを感じるやりがいのある仕事

ー皆さんは現在、どのようなお仕事をされているのですか?

[清水]
設計課の仕事に約10年間従事した後、現在は販売支援グループに所属し、部内のDX(デジタルトランスフォーメーション)を遂行するチームの統括を努めています。DXというと、紙やプロセスのデジタル化をイメージされる人もいるかもしれませんが、実際はそれだけでなく、従業員の意識改革を促すEX(従業員体験)戦略を考えたり、顧客満足度を高めるためのCX(顧客体験)向上施策を実施するなど、「デジタル化」「システム化」「業務効率化」を柱としたさまざまな業務を行っています。
[中村]
火力部門を経て、今はこちらのサービス課で、主に海外のお客様を対象にしたアフターサービス業務を担当しています。何か製品に関する問題が起きた際に、要因を分析して対策を立案したり、その対策案をお客様に提案するのが主な役割です。お客様からの要求はコスト、納期ともに簡単でないものも多いですが、次回以降の受注機会を視野に入れ、一つひとつの対応を大事にするよう心がけています。
[中野]
私は、下関造船所で約10年間、主にCADを扱う技能職として経験を積んだ後、夫の転勤に伴い、サーマルシステムズに異動しました。今は設計課に所属し、情報収集段階のお客様からの問い合わせに対応する引合業務を担当しています。当社のターボ冷凍機が、お客様の希望する使用条件を本当に満たせるかどうか見極める最初の工程。見落としなどがないよう、日々、「正確さ」を心がけながら働いています。

ー仕事のどんなところに、やりがいや喜び、誇りを感じるか教えてください

[清水]
デジタル化やシステム化を進める際は、どうしてもステークホルダーの数が多くなるので、「できるだけ皆が満足する成果を出す」ことを、一つの目標にしています。正直、とても大変ですが、その分、達成できたときのやりがいは大きいです。ちなみに昨年は、海外で当社のターボ冷凍機を販売してくれている代理店向けに、社内で使用している営業ツールと完全連携した新たな販売支援システムを構築しました。代理店の方たちに意欲的に活動してもらえるようになった結果、引合案件が増えて売上アップに貢献でき、その上、以前から課題に感じていた代理店の離職率も下がったと聞いて、大きな手応えを得ることができました。喜びや誇りを感じるのは、国内外の至るところで、自社の製品が頑張って動いているのを、「空調の効き」を通し、文字通り肌で感じられるところですね。日本のランドマークとも言える東京スカイツリー地区や日本一の高層ビルである大阪あべのハルカスにも当社のターボ冷凍機が採用されています。
[中村]
工場の空調システムにトラブルが生じたりすると、お客様の製造活動に支障をきたす恐れもあるので、対応にはいつも緊張感をもって臨んでいますが、無事にトラブルを解決できたときに、お客様から直接、「ありがとう」「助かったよ」といった言葉をかけてもらえると、それまで大変だったことを一時忘れ、今回も頑張ってよかったな、次回はもっとうまく対応しようと、意欲が湧いてきます。誇りを感じるのは私の場合、お客様の工場で作られた製品を手にしたり、目にしたりしたときですね。トラブルが起こらず、無事、完成したんだなと…。
[中野]
この部署に来てまだ経験が浅いので、大抵のことは力を借りたり教えてもらう必要があるのですが、だからこそ、一人で困難な案件をクリアできたときは大きな喜びを感じています。例えば、標準的な使用条件で依頼されることがほとんどない海外案件を任され、それを自分の持ち合わせている知識だけで完遂できたときは、いつもと違う達成感がありました。自分の仕事を誇りを感じるのはお二人と同じように、当社の製品が使われている施設を訪れたときですね。言えないことも多いですが、つい家族や友人に自慢したくなります。

ー仕事を通して成長したと思うことを教えてください

[中野]
一人で完遂できたときに達成感を感じると話しましたが、実際にそういうことはまだ稀で、わからないことや、自分の知識だけではどうにもならないことの方が多いため、この部署に来てから、聞く力、ひいてはコミュニケーション能力がかなり向上したと感じています。また、日頃からそうやって、知識や経験の共有を積極的に行ってきたことで、少しずつですが、自分が尋ねられる側になったときも、以前より的確な説明ができるようになっている気がしています。
[中村]
ここは比較的、若手にも仕事を任せる権限移譲の文化がある部署だと思っていて、以前いた部署ではつい上司や先輩を頼ってしまいがちでしたが、今はずいぶんと、自分で考え、解決策を探せるようになってきたと思っています。
[清水]
以前いた設計課では、引合・受注対応時の技術提案やクレーム対応でお客様に交渉してきて、今の業務でも、他部署の上司やさまざまなステークホルダーたちを相手に議論することもあるので、交渉力が格段に高まったと感じています。それから今は、7歳、3歳、0歳と3人の子どもを育てながら短時間勤務で働いているので、時間の使い方も年々、うまくなっていると思います。

誰もが個性や能力を発揮できる働きやすい職場

ー今、子育てをしながら働いているというお話がでましたが、職場の雰囲気や、女性の働きやすさについてはどのような印象をお持ちでしょうか。

[清水]
さきほども言ったように、今は育児勤務中ですが、変わらずチーム統括として仕事をすることができていて、私自身は、普段仕事をする上で、「女性だから…男性だから…」と性差の影響を意識させられることはほとんどありません。配慮はあるが差別はされない、そして正当に評価もしてくれる職場というのが私の印象です。
[中野]
自分も今、育児勤務中ですが、妊娠出産を経験した前の職場が、当時女性のいない環境だったので、ここに来て、あまりの働きやすさに驚きました。清水さんたち先輩のおかげですが、やはり前例があるのは心強いです。つわりで休むことへの理解があるし、時短勤務を嫌な目で見る人は一人もいません。一方で、ワーキングママだけに配慮した職場かというとそういうわけではなく、素敵なバリキャリ女性も活躍していて、誰もが個性や能力を発揮して働ける職場だと思います。以前は育休が取れて仕事が続けられるだけでありがたいと考えていましたが、サーマルシステムズに来てからは、子育てしながらキャリアアップを目指すという選択肢もあるんだと、視野が広がりました。
[中村]
宗教上の理由から、イスラム圏への出張は男性社員が担当するなどの合理的配慮は存在しますが、逆に仕事の内容で性差の影響を感じるのはそれくらいでしょうか。一方、職場環境でいえば、お二人も仰られたように、女性が働きやすいようにしようという意識が高く、私はまもなく産前休暇に入るのですが、妊娠報告をして以降、体調を気遣って出張業務を調整をしてくれたりと、さまざまな配慮をしてくださって、本当に働きやすい職場だと思います。

ー「これは本当に役立った」という福利厚生制度を教えてください

[清水]
一番、ありがたいなと思うのが、小学校卒業までを適用期間とする育児勤務制度です。まだまだ「小学校入学まで」という企業も多いと思うのですが、小学校に入ってからもインフルエンザで学級閉鎖したりと、時短勤務や在宅勤務に助けられる場面がたくさんありました。ちなみに第一子を産んだ8年前はまだ育児勤務者に在宅勤務は認められていなかったのですが、「産後4ヶ月で戻るから試させてください」と頼み込み、部署内で初めてトライアルしたのが私です。その結果、部内の育児勤務者全員が在宅勤務の使用にこぎつけました。それからコロナの影響でオンライン研修が広がり、キャリア研修を受講するハードルが下がったのもワーキングママたちには好評です。あと実は夫も同じ部署で働いているのですが、うちの部署の男性で初めて育児勤務を取得したのが彼で、それ以降、男性社員の育児休暇、育児勤務もどんどん広がっています。
[中村]
先程も話しましたが、産前休暇に入る前にも、つわりがひどいときに在宅勤務できたことは助かりました。あとこれは最近、改めて福利厚生制度を調べていて、「こんな制度もあるんだ、すごい!」と思ったのですが、出産、育児、配偶者の転勤などを理由に退職した社員が再入社できる「キャリア・リターン制度」というのがあって、多様性の時代に即した、サーマルシステムズらしい良い制度だなと思いました。
[中野]
そういえば皆さんはマタニティ作業着って試されましたか? 以前はこんなのなかったから、男性用の大きなサイズのものを買って着ていましたが、良い取り組みだなと思って…。
[清水]
私も大きいズボンを買って、腰の部分をゴムバンドで広げて使っていました。制度や環境がちゃんと進化し続けているのもいいことですね。

ーちなみに、あったら嬉しい制度や改善してほしい制度はありますか?

[中野]
会社の目の前に三菱神戸病院があるので、病児保育をしてもらえたら完璧ですね。強いて言えば、このあたりも待機児童の問題が割と深刻なので、事業所内に保育所を設置してもらえると嬉しいのですが。
[清水]
私は、保育所はいらないかな。夜まで預かってくれるとなったら、仕事を頑張りすぎて切り上げられなくなりそう。それだったら、三人の子供を認可保育園に入れず認可外保育園に預けた経験から認可外保育園と提携するなどして、優先的に入れる企業主導型保育施設を増やしてほしいですね。
[中野]
それは確かにそうですね。帰れなくなるのは嫌かも。
[中村]
今は特に思いつかないですが、お二人の話を聞いていると、いろいろ勉強になります。

ー皆さん自身が、ワークライフバランスの充実を図るために意識されていることを教えてください

[中野]
今は時短で一日6時間勤務をしていますが、時間が限られているので常に効率を意識しながら毎日集中して働いています。周りにまったく負担をかけないというわけにはいきませんが、それもできる限り少なくすむように心がけています。休日は多いです。有給休暇も取りやすいので、すでにワークライフバランスは結構、充実していると思いますね。我が家でも、子どもの長期休暇に合わせて有給休暇を取得し、毎年、地方へ旅行に行ったり、里帰りしてリフレッシュしています。
[中村]
性格上、仕事は仕事、プライベートはプライベートとしっかり切り分けないと、うまく頭を働かせられないし、体も動かせないということが自分でよくわかっているので、もちろん責任を持って業務を行った上でですが、いかに定時で帰宅するかを毎日、真剣に考えています。
[清水]
中村さんと同じで、メリハリはしっかりつけるようにしています。家に帰れば家のことで頭がいっぱいですが、勤務中は、子どものことを考えられないくらい仕事に没頭していますね。私も出かけるのが大好きで、家族旅行にはしょっちゅう行っています。金曜日に在宅勤務を終えたあと、車を走らせ、ちょっと良いホテルに宿泊し、美味しいものを食べるのが最近の楽しみ。いつか子どもたちと一緒に海外旅行にも行きたいので、子どもが寝静まった後の時間を利用して英語の勉強も始めました。あとワーキングママのワークライフバランスという意味では、会社のサポートだけでなく、パートナーの理解やサポートも欠かせません。そこは最初から手綱をしっかり握っておく必要があります。
[中村]
「始めが大事」と、これは肝に命じておかないといけないな。

一緒に働きたい人たちがいる会社だから、自分のやりたいことも実現できる

ー皆さんの目標や、今後、挑戦したいことを教えてください

[中野]
当面は引合業務で、知識と経験を積み、いずれは開発にも携わりたいと考えています。特に、こだわっていきたいのがCADの技術です。部署内で今、CADに精通しているのは自分以外いないので、請われたことには何でも応じられるCADのスペシャリストになるのが今の私の目標です。
[中村]
すぐにということではなく、今度、生まれてくる子どもが小学校にあがるくらいの年齢になったら、もしくは卒業するくらいのタイミングで、海外駐在を経験したいと思うようになりました。なりました…というのは、これまで海外駐在というと単身赴任しやすい男性社員が行くものと思い込んでいたのですが、実際に子どもを連れて駐在されている先輩の姿を見て、いつか自分も挑戦してみたいと思ったんです。もちろん、そのためには英語力、コミュニケーション力、製品知識など、さまざまなスキルの向上が不可欠なのですが、チャンスが訪れたときにちゃんと掴みとれるよう、頑張っていきたいと思っています。
[清水]
当社では現在、地球温暖化係数(Global Warming Potential)が従来の1,300分の1という低GWP冷媒を採用したターボ冷凍機を販売するなど、地球環境に配慮した取り組みにもかなり力を入れています。そんな中で自分は、例えば、受発注、出荷・納品、請求などの業務をすべてシステムで行うEDI取引を実現したり、システムがセールスエンジニア的な役割を担うなど、これまでに経験してきたことを全部DXに活かしつつ、そうした環境負荷が少ない製品の全世界への普及に努めていきたいと思っています。そして少し主語は大きくなりますが、一人の技術者として、それから母として、自分自身が子どもだった頃のように、夏でも子どもが外で元気に遊びまわれる地球を取り戻したいと思っています。それからもう一つ目標があって、それは三人の息子たちに「働くお母さん、めっちゃかっこいいな」と思ってもらえる仕事をこの先もやり続けることです。そうすることで彼らにも、将来、パートナーの生き方を尊重できる大人になってもらいたいと考えています。

最後に、就職活動中の人たちへメッセージをお願いします

[中野]
仕事について考えると、私自身は、その内容よりも、誰と一緒にするかの方がはるかに大事だと思っています。困ったときに何でも相談できる上司がいる職場は安心できますし、同僚たちと互いに高め合い、切磋琢磨できる環境は自分を大きく成長させてくれます。もちろん専攻分野に絞って仕事を探すのも悪いことではありませんが、選択肢はそれだけではないということをぜひ頭の片隅に置いておいてください。
[中村]
いろんな場所にでかけて、いろんなものを見て、いろんな人に出会って、学生のうちにしかできないことをできるだけたくさん経験してください。意外な経験が後の人生で、自分を助けてくれることもあるでしょう。専攻分野の勉強を頑張るのもいいですが、それだけでは自分らしさや個性を磨くことはできません。
[清水]
福利厚生制度はあるだけでは意味がありません。ホームページで確認するだけでなく、それが本当に使える制度なのか、職場の人たちに受け入れられているのかといったことも、実際に会社を見学するなどして自分の目で確認してほしいと思います。二人の専攻分野の話と少し似ていますが、やりたいことだけを重視するのでなく、働きやすさや環境にも留意して、長く快適に働ける会社を選んでください。ちなみに三菱重工サーマルシステムズは、誤解を恐れずに言えば、航空や防衛、宇宙なども対象領域に含む三菱重工の中では珍しく、一人の技術者が最初から最後まで作りきることのできる規模の製品を扱う会社です。なので何でも全部一人で完結させたいといった志向を持つ人には超オススメの会社だと思います。