自動車衝突シミュレータ
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三菱重工グループでは、自動車の衝突安全性能試験用試験装置、自動車衝突シミュレータを日本で初めて開発しました。

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製品概要

研究・開発期間の短縮、研究・開発費の低減に貢献

今までの自動車衝突実験では、高価な実車を衝突させ衝突データを得ていましたが、三菱重工の自動車衝突シミュレータは、コンピュータでコントロールする電気油圧サーボを採用した非破壊の試験装置で、低コストで高精度な試験・運用ができるシステムを実現しています。シート、シートベルト、エアバッグ、ドアや車内インテリアなどの研究・開発を短期間、低コストで行うことができます。

特長

自動車衝突シミュレータは、衝突時の車内における乗員の挙動を正確に再現し、傷害を計測・評価します。

グローバルな試験規準に対応
三菱重工機械システム独自の技術を適用し、前面、側面および(低速)後面衝突兼用シミュレータで、日米欧中など世界中の試験規準をカバーします。
高精度
車両を破壊することなく、1~2回の発射で高精度の試験ができるので、開発コストの低減が可能です。
自動試験
試験が自動かつ容易で、安全なシート、チャイルドシート、シートベルト、エアバッグ、ヘッドレスト、プリクラッシュブレーキ、インテリアなどのアクティブ/パッシブな乗員保護装置の開発期間を短縮します。

システム構成

自動車衝突シミュレータは、制御システム、サーボアクチュエータ、スレッド、レール、スレッド移動装置、スレッド切換装置、油圧供給システムなどで構成されます。

動作原理

試験車両はスレッドに載せられ、油圧アクチュエータにより後ろ向きに加速されます。
この結果、衝突用ダミー人形は実際の衝突と同じ衝撃を受けます。

システム構成

衝突現象をリアルに再現するピッチング装置

ピッチング装置により、任意波形のフロア方向加速度、ピッチ角、上下動を同期制御できるため、衝突現象を、よりリアルに再現します。ピッチング装置を使わない時には、全装置がフロア面以下に格納され、バリアフリーになります。

他分野への応用例

  • バス、トラック用乗員保護装置の開発
  • 航空機用シート、乗員保護装置の開発(FAA、等)
  • 各種Vehicle搭載計器、PC等電子機器、乗員等の衝撃試験
  • 一般衝撃試験(MIL-STD-810、等)

自動車衝突シミュレータの発展・拡張性

車メーカの終局の目的は、ピッチング、イントルージョン、ヨーイングの三大オプションを自動車衝突シミュレータに装備して実車衝突試験数を激減させ、衝突安全車を早期に安く市場に出すことです。

三菱重工機械システムは、これらのオプションを後付で装備できるように、着実に商品化してまいります。

技術情報

自動車衝突シミュレータの主要性能

表は横にスライドしてご覧いただけます。

基本仕様項目 仕様値 備考
前面衝突シミュレーション ベイロード 最大2,000kg ホワイトボディー、定盤、計測器 等
打出加速度 最大80G ベイロード1,500g搭載時
打出速度 最大25m/s =90km/h
簡易側突シミュレーション ドア打出加速度 最大85G~最小-30G 最大ベイロード750kg搭載時
ドア打出速度 最大16m/s
側面衝突シミュレーション 負荷重量 最大2,000kg MDB(FMVSS)相当
衝突速度 最大21m/s MDB変位3,000mmでの速度

前突の試験結果例

発射1回目から、実車衝突試験の加速度波形を忠実に再現する事ができます。

三菱重工グループの実績